第101回箱根駅伝出場校紹介BACK NUMBER
〈立教大学〉「流れを変える選手」としてチームを牽引する馬場賢人(3年)の、エースが集う2区に挑むための決意
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byNanae Suzuki
posted2024/12/19 10:01
3年生ながらエースとしての自覚を持ち、箱根駅伝に挑む馬場
馬場は11位でたすきを受け取ると、突っ込んで入った。10km地点では東京国際大学、中央大学や日本体育大学を抜いて、8位にまで順位を押し上げた。大会におけるチームの目標はシード権獲得の8位以内。最終的にそこに手が届く7位まで馬場はチームを引っ張り上げ、篠原、太田、平林に次ぐ区間4位とその力を見せつけた。
「ひたすら前へ、という気持ちで走りました。前の3校とシード権争いになっていたので、もう行くしかないという感じでした。自己評価としては高得点をあげたいですが、(大牟田高校の)先輩の太田さんとは1分以上の差がついているので、個人としてはまだまだです。ただ、チームの目標を達成できたので、そこには貢献できたかなと思います」
馬場は少し笑みを浮かべながらそういった。
「2区」で流れを変えられるか
髙林監督は初出場でのシード権獲得、そして馬場の好走に表情を崩した。
「このレースのポイントは7区、8区でした。その意味では馬場が7区で流れを変える走りをしてくれたのは、チームにとってすごく大きかったですね。立大のエースたる走りをしてくれました。箱根でもこのくらいガーンとやってくれると嬉しいですね」
髙林監督が馬場を「真のエース」として認めた瞬間だった。
その馬場に改めて「エースとは?」と問うと、彼はこう答えた。
「チームの手本となる選手です。レースでの走りはもちろんですけど、練習面、生活面でも模範となるような選手だと思います」
馬場がすべての面においてエースたる存在感を示していくのは4年生となる来年になるだろうが、その前にエースの役割を果たすべき大舞台が待っている。
馬場は1年時の箱根駅伝で4区を走って16位、2年時は3区で8位という結果だった。どちらも前走者にかなり離された状況で難しい駅伝になり、悔しさを噛みしめて終わった。今季のチーム目標は「10位以内、シード権獲得」だ。箱根駅伝予選会でトップ通過、全日本大学駅伝では7位でシード権獲得といい流れで来ており、馬場も結果を残している。
「箱根駅伝は本当に流れが重要だというのを、過去2回走って痛感しました。今回は自分の走りで流れを変えていきたいですし、チームに勢いをつけたいと思っています」
馬場が希望する区間は、もちろんエースが集う「2区」だ。