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《データでWS展望》ドジャースやや不利を覆すキーマンは大谷翔平と山本由伸だけでなく…ヤンキースはジャッジより好調「9戦8発の強打者2人」
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byGetty Images
posted2024/10/25 17:00
リーグ王者となったドジャース山本由伸、大谷翔平とヤンキースのソト、ジャッジ。名門同士のワールドシリーズ、各種データで展望する
【ドジャース】
・レギュラー
1.大谷翔平(指)11試42打12安3本10点0盗 率.286 OPS.934
2.ベッツ(右)11試44打13安4本12点2盗 率.295 OPS1.063
3.T.ヘルナンデス(左)11試40打8安2本8点1盗 率.200 OPS.69
4.エドマン(遊)11試44打15安1本12点3盗 率.341 OPS.810
5.マンシー(一)11試33打8安3本5点2盗 率.242 OPS1.013
6.E.ヘルナンデス(三)9試33打10安2本5点0盗 率.303 OPS.863
7.パヘス(中)8試19打4安2本4点0盗 率.211 OPS.776
8.スミス(捕)11試38打6安2本6点1盗 率.158 OPS.605
9.テイラー(二)8試12打3安0本0点1盗 率.250 OPS.607
・控え
ラックス(二)8試24打5安1本3点0盗 率.208 OPS.592
フリーマン(一)8試32打7安0本1点1盗 率.219 OPS.461
キアマイアー(中)4試2打0安0本0点0盗 率.000 OPS.000
ロハス(遊)3試8打2安0本0点0盗 率.250 OPS.500
バーンズ(捕)1試0打0安0本0点0盗 率.000 OPS.000
大谷は殊勲打をたびたび打ってきたが、相手の警戒が強く盗塁はできていない(盗塁死1回)。続くベッツが大谷を上回る好調ぶり。ポストシーズンに強いテオスカー・ヘルナンデスも当たりが戻ってきた。しかしフリーマンの足の調子が万全ではなく、本来三塁のマンシーが一塁を守っている。カージナルスから移籍したトミー・エドマンが絶好調でチャンスメーカーになっている。
ヤンキースは先発4枚がまずまず、救援陣も安定
続いては投手陣。こちらもヤンキースから見ていく。
〈投手陣〉 *は左投手
【ヤンキース】
・先発
コール3試3先1勝0敗0S 16.1回率3.31
ロドン*3試3先1勝1敗0S 14.1回率4.40
シュミット2試2先0勝0敗0S 9.1回率3.86
ギル1試1先0勝0敗0S 4回率4.50
・救援
ウィーバー8試0先1勝0敗4S 10.1回率2.61
ホームズ8試0先2勝1敗0S 7.2回率3.52
ヒル*7試0先0勝0敗0S 5.2回率1.59
ケインリー6試0先1勝0敗1S 7回率0.00
カズンズ3試0先0勝0敗0S 2.2回率6.75
マイザ*2試0先0勝0敗0S 1.1回率0.00
ライター2試0先1勝0敗0S 2.1回率3.86
ハミルトン2試0先0勝0敗0S 1.2回率5.40
コール、ロドン、シュミット、ギルの陣容はそれほど優秀とは言えないが、4人で先発陣を形成し、5回程度は投げることができている。救援ではシーズン終盤からクローザーになったウィーバーが役割を果たし、クローザーから中継ぎになったホームズ、左腕のヒル、ケインリーらと安定感のある救援陣を作っている。
【ドジャース】
・先発
山本由伸3試3先1勝0敗0S 12.1回率5.11
フラハーティ3試3先1勝2敗0S 15.1回率7.04
ビューラー2試2先0勝1敗0S 9回率6.00
・救援
ブレイジア6試2先1勝1敗0S 7回率5.14
コーペック6試1先1勝0敗0S 5.1回率1.69
トライネン6試0先0勝0敗3S 8回率1.13
バンダ*6試0先0勝0敗0S 5.2回率1.59
フィリップス5試0先2勝0敗0S 6.2回率0.00
ハドソン5試0先0勝0敗0S 4.1回率2.08
カスパリウス3試0先1勝0敗0S 4.1回率0.00
ベシア*3試0先0勝0敗0S 3回率0.00
エンリケス3試0先0勝0敗0S5回率7.20
ハニウェル2試0先0勝0敗0S7.2回率4.70
ナック2試0先0勝0敗0S 3回率15.00
グローブ1試0先0勝0敗0S 0.1回率27.00
シーズン中、先発陣を形成していたストーン、グラスノー、パクストンが離脱し、山本由伸、ビューラー、さらにタイガースから獲得したフラハーティが先発だが、ブルペンデーが3試合あった。救援の剛腕コーペック、左腕バンダ、クローザーのトライネンは安定感があるが、もう一人の左腕ベシアも故障で離脱している。
打線互角、走塁ドジャース、投手ヤンキースの中で
トータルで見ると「打線は互角」、走塁ではややドジャースに分があるが、投手陣は「先発・救援」の形が維持できているヤンキースにアドバンテージがあるか。
ドジャースは「やりくり投手陣」で回しながら、打線の奮起を促すということになろう。ヤンキースが勝つときは早々に大量点を奪って逃げ切るケースが想定される。ドジャースは点の取り合いの中で、勝機を見出す形となる。
ややヤンキースに分があり、ドジャースはそれを覆す戦いになると思われるが、できれば第7戦まで熱戦を見せてほしいと思う。
〈大谷・由伸とドジャース特集:つづく〉