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《データでWS展望》ドジャースやや不利を覆すキーマンは大谷翔平と山本由伸だけでなく…ヤンキースはジャッジより好調「9戦8発の強打者2人」 

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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posted2024/10/25 17:00

《データでWS展望》ドジャースやや不利を覆すキーマンは大谷翔平と山本由伸だけでなく…ヤンキースはジャッジより好調「9戦8発の強打者2人」<Number Web> photograph by Getty Images

リーグ王者となったドジャース山本由伸、大谷翔平とヤンキースのソト、ジャッジ。名門同士のワールドシリーズ、各種データで展望する

 盗塁数はヤンキースが15球団中12位、ドジャースは6位だが、盗塁成功率(盗率)はヤンキースが.771で8位に対してドジャースは.855で1位。大谷翔平が59盗塁4盗塁死、盗率.931と圧倒的な数字を残したことが大きい。ワールドシリーズでは「1番大谷の足」も勝敗の大きなポイントになる。

〈チーム投手成績〉 ※K/BBは奪三振÷与四球
・ヤンキース
94勝68敗45S(4)率3.74(4)1452.2回1457三振(3)
181本(6)K/BB2.73(9)WHIP1.24(6)
・ドジャース
98勝64敗50S(3)率3.90(6)1445.2回1390三振(6)
198本(14)K/BB2.77 (9)WHIP1.2③(3)

 両チームともに投手陣はトップクラスとは言えない。被本塁打はヤンキースが181本で6位だが、ドジャースは198本で15球団中14位、一発を食らうことが多かった。投手の安定感を示すK/BBは、ヤンキースが8位、ドジャースが9位。両チームはともに圧倒的な打撃力でペナントレースを勝ち抜いたが、投手陣は「中の上」で、点を取られながらもそれを上回る得点力で白星をつかんできたといえる。

ジャッジが復調、スタントンとソトの2人で9戦8発

 ではポストシーズン以降の両チームの陣容を見ていこう。まずは地区シリーズ(vsオリオールズ)を3勝1敗、リーグ優勝決定シリーズ(vsガーディアンズ)を4勝1敗で下したヤンキースの9試合成績から。

〈打線〉
【ヤンキース】
・レギュラー
1.トーレス(二)9試37打11安1本5点0盗 率.297 OPS.832
2.ソト(右)9試33打11安3本8点0盗 率.333 OPS1.106
3.ジャッジ(中)9試31打5安2本6点1盗 率.161 OPS.704
4.スタントン(指)9試34打10安5本11点1盗 率.294 OPS1.179
5.チザム(三)9試34打5安1本1点2盗 率.147 OPS.481
6.リゾ(一)5試14打6安0本0点0盗 率.429 OPS1.000
7.ボルぺ(遊)9試29打9安0本1点2盗 率.310 OPS.804
8.ウェルズ(捕)9試33打3安1本3点0盗 率.091 OPS.349
9.バーデューゴ(左)9試31打6安0本3点0盗 率.194 OPS.544
・控え
トレビーノ(捕)2試2打1安0本1点0盗 率.500 OPS1.000
カブレラ(一)5試6打1安0本0点0盗 率.167 OPS.777
ベルティ(一)4試11打2安0本0点0盗 率.182 OPS0.432

 アーロン・ジャッジは一時期不振だったが、調子を上げてきた。ジャンカルロ・スタントンが5本塁打と好調。もう一人の看板打者、フアン・ソトも3本塁打を放ち、中軸が元気なのが強み。ただチザム、リゾ、ウェルズら下位打線は今一つだ。さらに1番のトーレスも含め、機動力はほとんど見せていない。

大谷・ベッツ・エドマンは好調…ただ負傷フリーマンは

 続いてはドジャース打線である。地区シリーズ(vsパドレス)を3勝2敗、リーグ優勝決定シリーズ(vsメッツ)を4勝2敗で勝ち上がったポストシーズン11試合で、どんな成績を残したか。

【次ページ】 大谷・ベッツ・エドマンは好調…ただ負傷フリーマンは

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