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「サウジ戦でバレたと思います」守田英正が指摘した日本の弱み…「あのシュートブロックも問題」記者に語った解決策“新たな一手”とは
text by
佐藤景Kei Sato
photograph byKiichi Matsumoto
posted2024/10/19 11:02
サウジ戦、オーストラリア戦は結果としては悪くなかったが、守田の目には新たな課題が見えていた
「サウジ戦の終盤は疲弊していたこともあって、6バックになったりもした。やっぱり日本人ってすごく責任感を感じるから、やられたくない気持ちが先行して、後ろに比重がかかってしまう。それはかえってよくないことなんだけど」
14分に鎌田大地が決めて先制点を手にした後、日本は劣勢に立たされた。プレスをかわされ、ずるずる後退させられると、3−4−2−1の両ウイングバックも下がって5バックを形成することになった。
右ウイングバックの堂安律も左ウイングバックの三笘薫も、自陣深い位置が出発点となると、さすがに相手ゴールに到達するのは難しい。それを分かっていながらもチーム全体が後ろに重くなった。相手の素早い切り替えから連続してシュートを打たれたあの場面も、後ろに重たくなり、全体が間延びしていたことと無関係ではない。
メンバーの特徴を生かしきれていない
そしてそれはチームとして「本来やりたいこと」をできなくしていた。チームの強みである攻撃的なウイングバックの特徴を生かしきれていないという意味だ。守田のサッカー観からしても、それは許しがたいことだった。
「サッカーはその選手の特徴を生かせないと面白くないし、システム化して、その選手に制限をかけるのは、個性を生かす上で、何ていうか……縛りというか秩序があるのは問題ないけど、そっちが先行して個性がなくなってしまうのはよくない。僕はボランチで人を生かすポジションなので、なおさらそこを気にするというか。
ウイングバックが例えば律と(伊東)純也くんだったら全然個性が違うわけで、求めるものも違うし、だからその特徴、その選手がやりたがる、やりたいだろうなと思うプレーをなるべくさせてあげたいし、苦手だなと思うプレーはあまりさせないようにしたい」
現在のチームはハードワークするのが当たり前。指揮官も明言している通り、それができなければピッチに立つ資格はないが、本来アタッカーである選手をウイングバックに据えているのは、ただ守備に奔走するだけではなく、攻撃的な特徴を生かすためでもある。その意味でも守田は、サウジアラビア戦の出来に不満だった。先発した堂安や三笘に対しても、後半から出た伊東に対しても、その力を存分に引き出すことができなかったからだ。オーストラリア戦についても、状況こそ違うが「生かせなかった」という点では同じ思いを抱くことになった。