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「僕たちの方が勝利に…」久保建英“日本代表とひと味違う”スペインでの素顔と本音「ファンを煽り、強豪DFたちを翻弄」現地カメラマンは見た
posted2024/10/19 11:07
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph by
Daisuke Nakashima
日本代表FW久保建英は、相対したアトレティコ・マドリーDFを翻弄し続け、率直な感想を口にしていた――。
ラ・リーガ9節、久保が所属するレアル・ソシエダは、ホームのレアレ・アレーナにてアトレティコ・マドリーと対戦。この試合に先発フル出場した久保は右サイドを支配し、チャンスメイクで存在感を発揮した。ただ……。
「個人的にはすごく良いゲームだったと思いますし、チームとしても良いゲームだった。その分、勝ち点3が欲しかった。今日は勝っておきたかったというのが本音ですね」
試合後に会見に臨んだ久保がこのようなコメントを残したように、ソシエダには早い時間帯の失点が重くのしかかり、試合は1-1の引き分けに終わっている。
低迷するソシエダ…ELで温存された久保
現地10月6日、ソシエダ対アトレティコ戦を撮影するため、スペイン北部サンセバスチャンへ向かった。
サンセバスチャン空港は、その知名度と比較するとかなりこぢんまりとした空港となる。タクシーも数えるほどで、この日もかなりの人数が列となっていた。
市内まではバスでも30分ほどだが、専用のバスは走っておらず1時間に1本の市バスで30分ほど。大きな荷物を抱えた観光客だけでなく、途中からは一般地元客も乗ってくる。何か大きなイベントと重なっていたのか、車内は身動きひとつ取れない、そんな有様だった。
ソシエダは、ELアンデルレヒト戦から中2日でこの試合を迎えていた。リーガのスタートダッシュに失敗し、降格圏に限りなく近い下位に沈むソシエダ指揮官イマノル・アルグアシルとしては、現状で優先すべきは降格を避けるため少しでも順位を上げること。そのためには、過密日程の中でメンバー構成の照準を今節アトレティコ戦に向けるしかなく、ELの試合では、久保やマルティン・スビメンディなど主力級選手をベンチスタートさせた。
それほどまで、この試合へプライオリティーを向けていただけに、開始1分経たずに与えてしまったゴールは軽率なものだった。守備ラインの裏へ抜け出したアントワーヌ・グリーズマンにソシエダ両CBが引き寄せられてしまった。グリーズマンは、ボールをコントロールすると、フリーで遅れて走り込むフリアン・アルバレスへヒールパス。今季マンチェスター・シティから加入のFWは、一瞬の隙を逃さずファーストチャンスをものにした。
「まだ80分残っている…」逸る気持ちを抑え込み
意気込みが大きかっただけに大きなショックがあったはずだが——久保は厳しい表情と共に、両手のひらで逸る気持ちを抑え込むような仕草を見せていた。
試合後、その時の心境を「試合はまだ80分残っていると考えることができました。50分に先制されていたら、もっと悪い結果になっていた」と久保は伝えている。