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「サウジ戦でバレたと思います」守田英正が指摘した日本の弱み…「あのシュートブロックも問題」記者に語った解決策“新たな一手”とは
text by
佐藤景Kei Sato
photograph byKiichi Matsumoto
posted2024/10/19 11:02
サウジ戦、オーストラリア戦は結果としては悪くなかったが、守田の目には新たな課題が見えていた
中にパスを出せず、前進できなかった豪戦
「欲を言えば3バックで2枚を引きつけて前線にスペースを空けて、という形でビルドアップしたかったけど、前半、相手のスイッチがかかりそうで上手く呼吸ができなかったので僕が完全に(最終ラインに)下りる形になった。それでも配球の部分で、なかなか中にパスを出せず、ずっと左右に振って前進できないような展開になった。
後半はどちらかというとボランチの(田中)碧をサイドに出してシャドーを少し下ろすような形で組み立てようと話していて、途中までは良い形で薫を押し上げて高い位置でボールを持たせてあげられたけど、距離感がどんどん悪くなってきて僕も下り出して(全体が後ろに)重たくなって悪循環だったと思う。試合全体を通してなかなか思っていたサッカーができなかった」
日本を研究していたオーストラリアが5−4−1のブロックの「4」でしっかり中を締めてきたため、日本のパスは外回りさせられた。それを打開するための試みがうまくいかず、結果、両ウイングバックを生かせなかった。
チーム力が過去最高の状態だからこそ
それでもサウジアラビア戦は2−0、オーストラリア戦は追いついて1−1で試合を終えた。4試合を消化し、日本は2位オーストラリアに勝ち点5差をつけ、グループCの首位に立つ。結果だけを見れば悪くない。むしろポジティブにも映るが、結果だけにフォーカスしていては先がないことを守田は知っている。目指すのは、あくまでワールドカップで勝つことだ。
体調不良で前日練習に参加しなかった遠藤航キャプテンに代わって登壇したオーストラリア戦の前日会見で、守田は言った。
「(今年1月の)アジアカップの時に比べて僕が思うのは、この代表は森保さんを中心としてスタートしていて、本当に高いレベルで要求し合える関係になってきたということです。チーム内のルールや秩序は大前提としてある中で、個々のキャラクターだったり、考え方や違いを共有する時間、機会みたいなものは以前より増してきたと実感しています。スタッフと選手の関係はいいものだと思いますし、チーム力という意味では一番、一体となってきている。僕は森保さんが就任された1年目から招集していただいていますけど、僕が調子いいからとかではなく、今が一番、チーム力は本当に今が一番いいのかなと思う」
進化とは、歩みを止めないこと。過去最高に一体感のあるチームの中心に、その場に留まることを良しとしない守田がいる意味は大きい。