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日本代表vsオーストラリア「体調不良・遠藤航の代役、右サイドは?」予想スタメンより…得点源かつ“実は守備の課題”CKに記者が注目するワケ 

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ミムラユウスケ

ミムラユウスケYusuke Mimura

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photograph byKiichi Matsumoto

posted2024/10/15 06:01

日本代表vsオーストラリア「体調不良・遠藤航の代役、右サイドは?」予想スタメンより…得点源かつ“実は守備の課題”CKに記者が注目するワケ<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

オーストラリア戦、勝利すればW杯への視界は大きく開ける。その中でどうチームは課題を解決していくか

「個人的にはそんなに背が高くない(178cm)ですけど、(相手の背の)高い選手が(日本の)高い選手につく分、自分のところはちょっとマークが緩くなったり……。あとはゴール前に入るタイミングとか、空間認知能力などはセットプレーで選ばれるだけの能力があると思っているので」

 この分析は的確だ。前述したシャルケ戦でも長身のチームメイトにマークが集中し、遠藤がフリーになっていたため、赤子の手をひねるように――立て続けにゴールを決めた。


 次に、サウジアラビア戦の小川航基のゴールについて振り返ろう。あれは、ゾーンの構造的な欠陥を上手についたものだった。ゾーンシステムの場合、あらかじめ危険なポジション、エリアから順番に背の高い選手やヘディングに強い選手を配置できるメリットがある。

 一方で、あらかじめ待ち構えているがゆえに、離れたところから勢いよく走り込んできた選手をつかまえるのが難しいデメリットがある。

「ゾーンに対しての入り方は意識しています」

 こう切り出した小川は、サウジアラビアの守り方についてこう言及していた。

「ゾーンの中でも何人かが、日本の選手(※町田浩樹など)にマークがついて。相手がついてくるのが僕ではなかったのが1つ大きなことでした。その上で、あそこで点で合わせるのは体に染み付いているというか……。だから、あれはたまたまではないです。しっかりと分析して、味方も(相手の守り方の特徴を)知った中で得た得点かなと思います」

オーストラリアはどんなCKの守り方をしてくるのか

 オーストラリアは、ポポビッチ監督の初陣では「ゾーンディフェンス」を採用している。ゴールエリアを6人で守り、その前にいる2人は特定の選手をケアするような形だった。

 ただ、相手がショートコーナーをする可能性を匂わせない場合は、ゴールエリアに配する選手をさらに1人加えてくる。そのため、日本のキッカーではない選手の駆け引きもキーになりそうだ。

 ただし……アジアカップでもバーレーン戦のように良い形でデザインしながらも得点につながらなかった場面はある。

 あるいは、カタールW杯のコスタリカ戦でも完璧に近い形でデザインされたCKがあった。開始早々1分の左サイドからのCKで、キッカーを務めた相馬勇紀がニアサイドに素晴らしい質のボールを送り込み、遠藤が相手選手の動きを妨害し、フリーになった上田綺世がタイミング良く、ニアサイドに飛び込んだ。しかし、このヘッドがわずかに合わず、決定機にはならなかった。

 コスタリカがニアサイドの守り方に課題を抱えていたことを踏まえても、プラン通り、完璧に近い形だったのだが……。

 決まるときは、あっさり決まる。でも、決まらないときは、どんなに良い形を作ったとしても、決まらないことがある。いわば“水物”である。だからこそ大切なことは、あのコスタリカ戦のように、狙い通りの形を作れているかどうかを判断基準にしておくことだ。

実は、CKの守り方で課題を抱えているワケ

 最後に現在の日本代表が、実は「CKの守備」に課題を抱えていることも紹介しておこう。

【次ページ】 体調不良の遠藤航に代わるボランチで予想されるのは…

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