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「試合の話はほとんどしないです」甲子園で輝けなかったある“プロ注エース”の再起…異国の地で与えられた「エースナンバー」のワケは? 

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沢井史

沢井史Fumi Sawai

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posted2024/09/04 11:04

「試合の話はほとんどしないです」甲子園で輝けなかったある“プロ注エース”の再起…異国の地で与えられた「エースナンバー」のワケは?<Number Web> photograph by Fumi Sawai

U18日本代表でエースナンバーの18を背負う広陵・高尾響。プロ注目の右腕はアジアの舞台でどんな投球をみせるのか

 帰郷してからは夏の大会の疲労を取ると同時に、主にトレーニングを積みながら体を動かしてきたという。

 今回、日本代表として集った7人の投手の一挙一動は見ていて学ぶことばかりだった。

 特に感銘を受けたのは中崎琉生(京都国際)だという。抜群のコントロールで夏の甲子園で優勝に輝いたエースのピッチングの、どの部分を注視したのか。

「左右の違いはありますけれど、ストライクゾーンへの出し入れだったり、コントロールだったり、そういう部分は見ていて勉強になります。(国内の対外試合でも)バッターを困惑させるようなピッチングを見せていたりして、それは本当にすごいなと思います」

甲子園では敗れたライバルと同部屋に

 台湾での宿舎は、藤田と同部屋だという。

 甲子園では共に投げ合った2人だが、「試合の話はほとんどしないです」と笑う。お互いの話を中心に、台湾に入ってからの習慣の話などが多めだという。

「最初(台湾に)来たときは(宿舎で用意された食事は)ダメだったんですけれど、少しずつ食べられるようになりました」

 昨年は同じ広陵の先輩でもある小林隼翔(現・立大)が主将としてチームをけん引し、同じ台湾で開催された世界大会で世界一に輝いた。日本代表に内定してから、その小林からは日本代表としてのアドバイスも受けたのだという。

【次ページ】 「背番号で野球をするわけではないので」

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