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大社の控え捕手が必然のように決めた「柔らかなバント」。

posted2024/09/03 09:00

 
大社の控え捕手が必然のように決めた「柔らかなバント」。<Number Web> photograph by The Asahi Shimbun

延長11回裏、大社の代打・安松は「死ぬほど練習してきた」というバントを自信を持って三塁線に転がした

text by

藤島大

藤島大Dai Fujishima

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The Asahi Shimbun

 どーんと振ってこい。きっちり転がせ。気が楽なのはどちらか。前者ではあるまいか。

 先の甲子園。島根県立大社高校2年、安松大希はだから立派だった。西東京代表の早稲田実業学校とのそこまで2-2の大接戦。タイブレークの延長11回裏無死一、二塁、緊迫の場面に代打で登場、きっちり転がした。いや止めた。バントの球は三塁線に近づき、うまく勢いをなくす。

 ファウルを望んで処理の遅れた送球より先に本人は一塁へ到達、記録は内野安打となり満塁、続く主戦の馬庭優太が投手の足元を抜くサヨナラ中前打を放った。

 なにが起きても驚かぬ展開にあって、ことここに至り、ようやくそれは必然のようだった。ひとつ前のあのコツン、スーッ、ピタリで勝負は決まっていたのだ。

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