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「井上尚弥の圧倒的有利」下馬評は真実か?「パンチ力はネリより上」長谷川穂積が語る“37歳ドヘニーの怖さ”「失うものがない。不気味ですね」
posted2024/09/02 11:05

スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥に挑戦するTJ・ドヘニー。長谷川穂積さんは「下馬評より難しい相手であることは間違いない」と分析する
text by

渋谷淳Jun Shibuya
photograph by
Hiroaki Yamaguchi
「井上選手は普通のチャンピオンじゃないですから」
井上は5月、日本人選手としては初の東京ドーム興行でメインを務め、“悪童”として知られた元2階級制覇王者、ルイス・ネリ(メキシコ)に6回TKO勝ち。初回にダウンという冷や汗シーンはあったものの、その後は圧倒的な強さを見せた。
ドームに集まったファンは4万3000人。井上のキャリアでも最高の舞台となったが、本人は「これは集大成ではない。これからキャリアを一気に加速させていく」と力強く宣言したものだ。とはいえビッグマッチを乗り越えたあとはモチベーションの維持が難しく、どんな王者でもエンジンがかかりにくいもの。このあたりを、長谷川さんは「まったく問題ない」と言い切った。
「普通のチャンピオンならモチベーションが下がる可能性はありますけど、井上選手は普通のチャンピオンじゃないですから。うまくコンディションを持っていくでしょう。久しぶりに4カ月という試合間隔もプラスに働くと思います。むしろいいスパンだと思いますね」
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井上が年3試合ペースでリングに上がるのは2017年以来、7年ぶりのこと。本人は公開練習で「逆にオフの時期が長くなかったので、調整面ではいい方向に向いた」と語っている。ちなみに長谷川さんは2010年、事実上の統一戦となったWBCバンタム級王座の11度目の防衛戦でWBO王者、フェルナンド・モンティエル(メキシコ)に敗れ、アゴを骨折しながら7カ月後に2階級上げてWBCフェザー級王座を獲得するという離れ業を演じている。このレベルになると試合間隔はあまり関係ないということだろうか。