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「県外出身者ばかり」を気にしていた過去…八戸学院光星の監督が本音「書き手としてはどうですか?」甲子園決勝で“地元の選手”を先発させた理由
posted2024/08/20 11:07
text by
中村計Kei Nakamura
photograph by
Kei Nakamura
◆◆◆
かつて決断「決勝で“地元選手”を先発させた」
――2012年夏の決勝のあと、仲井さんにインタビューをさせてもらったときに忘れられない言葉があったんです。あの試合、仲井さんは地元、八戸出身の金沢湧紀投手を先発させたんですよね。地元の人に喜んでもらうためにも地元の子で勝ちたかった、と。
仲井 余計な思いだったかもしれませんね。最初は城間(竜兵=パナソニック)で行くつもりだったんです。大阪桐蔭の打線はインコースをきちんと攻めないと抑えられませんから。だったら、コントロールのいい城間の方がいい。なのに、コントロールがアバウトな金沢でいってしまった……。
――光星学院は県外出身者が多いので、「僕はそのことをつい気にしてしまうんだ」という話もしていて。今も、やはり気にしてしまうんですか。
仲井 ……気にしません。
――今、ややがんばって言ったようにも聞こえましたが。気にならないというよりは、気にしないようにしているということですか。
仲井 気にしないようにしているってことでもないですよ。だって、そんなことしていたら勝てないですし、県内の子、県外の子みたいな区別の仕方も選手に失礼じゃないですか。
昔ほど関西からは来てくれなくなりました
――今、選手たちの出身エリアの比率はどんな感じなのでしょうか。
仲井 3割東北、3割関東、3割関西で、残りの1割はその他という感じかな。昔ほど関西からは来てくれなくなりました。そのぶん、関東が増えましたね。各学年15人くらいいるんじゃないかな。
――一時期、東北の選手をもっと増やしたいんだと言っていましたよね。
仲井 それは今もそうですよ。
――ただ、なかなか来てくれない、と。臆してしまうんですかね。