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パリ五輪「中国の圧倒的存在感」は競技以外でも…対して日本は?「じつは“あのチェーン店”が大人気。だが…」パリで記者が見た“もどかしい現実”
text by
齋藤裕Yu Saito
photograph byGetty Images
posted2024/08/05 17:01
卓球女子シングルスのメダルセレモニー。中国の陳夢(中央/金メダル)、孫穎莎(左/銀メダル)とセルフィーを撮影する早田ひな
パリでの日本の存在感は?「あのチェーン店が大人気」
競技会場の外に出ると中国のパビリオンに出くわすことがある。フェンシング会場のすぐ外には大きなアリババのパビリオンが設けられている。選手村には韓国のサムスンがスマートフォンのストアを設けている。五輪に関連してパリの地でアピールが目立つアジアの国は、残念ながら日本ではない。
パリで日本語を見かけることは少ない。五輪の公式スポンサーとなっているトヨタ車がパリ市内を走っているが、目立っているかというと微妙なところで、目を凝らしてやっとTOYOTAと分かるような慎ましさだ。
街中で目立つのは、シャンゼリゼ通りにあるKENZOやOnitsuka Tigerなどの衣料品店。そして路地に入って見つけた「OKAYAMA」や「SHINJUKU」などの日本料理屋くらいだ。日本食は現地でも人気で、おむすびのチェーン店「おむすび権米衛」は、昼時に「60人待ちになることもある」(おむすび権米衛フランス法人代表の佐藤大輔氏)という盛況ぶりだ。
パリ市民の昼時に存在感を示す日本だが、今回の五輪においては日本企業のアピールが現地まで伝わってきていない。クオリティが高いと評される日本のものづくり、サービスだけに、惜しい思いをパリの地で味わう日々を過ごしている。