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パリ五輪「中国の圧倒的存在感」は競技以外でも…対して日本は?「じつは“あのチェーン店”が大人気。だが…」パリで記者が見た“もどかしい現実”

posted2024/08/05 17:01

 
パリ五輪「中国の圧倒的存在感」は競技以外でも…対して日本は?「じつは“あのチェーン店”が大人気。だが…」パリで記者が見た“もどかしい現実”<Number Web> photograph by Getty Images

卓球女子シングルスのメダルセレモニー。中国の陳夢(中央/金メダル)、孫穎莎(左/銀メダル)とセルフィーを撮影する早田ひな

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齋藤裕

齋藤裕Yu Saito

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Getty Images

 体操、卓球、バドミントン。パリ五輪で日本と幾度も優勝を争い、金メダルの獲得数でも上位につける中国。経済規模で見ると、日本は2010年にGDPで抜かれ、今や4倍以上の差をつけられるなど比較対象にならなくなってきたが、それでも気になる海を隔てた隣の大国。五輪に沸くパリでの存在感を現地で比較した。

日本への声援が小さく聞こえる“中国応援団の大歓声”

 バドミントン女子ダブルス準決勝。日本対中国。会場を見渡すと観客席には30個近くの中国国旗が見える。日本の国旗は7、8個ほどだろうか。

 試合は中国の劉聖書(リュウ・シェンシュ)譚寧(タン・ニン)ペアがリードする展開が続く。プレーが止まったタイミングで選手名と加油(ジャーヨウ)の掛け声が響く。日本代表の志田千陽・松山奈未ペアを応援する声もあるが、声の主は点在していて、束になった声援となっては届いていない。中国の応援のほうが倍近く多い印象だ。

 ところかわって卓球会場。過去、日本と中国が激戦を繰り広げてきた競技ではどうか。

 8月2日の女子シングルス、早田ひなと孫穎莎(スン・イーシャ)の準決勝。映像でもわかるほどに両者への声援の量は異なる。プレーの合間、隙があれば差し込まれる「孫穎莎、加油」の掛け声。早田の得点にも歓声はあがっているのだが、映像ではそれが静かに聞こえるほど対照的だった。

卓球会場の雰囲気は「まるで中国ホーム」

 日中の直接対決でなくてもその差は色濃く表れる。7月27日16時30分、混合ダブルス1回戦。4つあるコートのうち、中央2つのコートで王楚欽(ワン・チューチン)と孫穎莎の中国ペアと、張本智和と早田ひなの日本ペアがそれぞれ試合を行った日のこと。

 テーブル2で試合を行う日本ペアに引き続き、テーブル1の中国ペアが入場する。すると日本ペアの前に陣取っていた中国応援団が歓声を上げ、国旗が揺れる。会場の雰囲気が一気に中国応援ムードに包まれる。テーブル3と4も各国の選手がプレーしているが、会場の雰囲気は中国ホームのよう。以前、日本代表チームのあるコーチがこう語っていたことがある。

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