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パリ五輪は開幕でも…「全中9競技廃止」にみる“少子化日本”のスポーツ環境 現場のリアルな声は?「地殻変動のはじまり」「強化に影響出る」
posted2024/07/24 06:00
text by
長谷部良太Ryota Hasebe
photograph by
JIJI PRESS
運動部活動に情熱を注ぐ日本の中学生が目指す全国中学校体育大会(全中大会)に、大きな変革が訪れる。1979年に始まり、日本中学校体育連盟(中体連)が主催するこの大会で、現在行われている19競技のうち部活動の設置率が原則20%未満の9競技を2027年度以降は取りやめることが決まった。
元フィギュアスケーターの町田樹さんは毎日新聞に寄稿したコラムの中で、「スポーツ界に激震が走った」と驚きの度合いを表現した。
概要は次の通りだ。
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<2027年度以降も行う競技>
陸上(駅伝を含む)、バスケットボール、サッカー、軟式野球、バレーボール、ソフトテニス、卓球、バドミントン、ソフトボール女子、柔道、剣道
<2027年度以降は行わない競技>
水泳、ハンドボール、体操、新体操、ソフトボール男子、相撲、スキー(※スキーは開催地との契約の関係で2029年度まで実施)、スケート、アイスホッケー
競技が減るだけではない。2027年度以降は1競技3日間以内とし、参加者数と開催経費は30%削減することを目標に掲げる。大会規模を縮小する背景には、歯止めがかからない少子化と、教員の働き方改革推進がある。
笹川スポーツ財団によると、野球を週1回以上行う10代の推計人口は2001年には117万人だったが、2021年は65万人と半減している。バスケットボールやバレーボールなど、近年人気が高い競技では増加や横ばいの傾向も見られるが、これは珍しいケースだ。少子化の影響で、全体的には習慣的にスポーツをする子どもは減っている。
中体連は「大会運営に多大な尽力をいただいている教員の負担軽減」という課題は「解決に向けた取り組みが進んでいない」と指摘している。部活動に顧問などで関わる教員の中には、休日返上で働く者も少なくないのが現状だ。
競技団体「本当に残念」「強化に影響出る」
全中大会の改革が発表された数日後、東京都内にある各競技団体の事務所を訪れると、幹部たちからさまざまな反応があった。日本スケート連盟は「少子化の進行や教員の負担減を考えると、(現行方式のままの)大会の存続は厳しいという苦渋の決断だったと思う。スケートが全中大会から外れるのは本当に残念だが、受け止めざるを得ない」。