濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
「スターダムとかマリーゴールド、負けてられない」人気女子レスラー、ウナギ・サヤカが異例の後楽園“2度目の自主興行”へ…最終目標は“あの大会場”
posted2024/06/26 11:00
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph by
Norihiro Hashimoto
気がつけば毎週のようにウナギ・サヤカの試合を見ている。週に何度も、という時もある。主観で言えば、もうそこらじゅうの大会に出ているように思えるくらいだ。試合数が多いというだけでなく、参戦している団体も幅広い。
たとえばゴールデンウィークには4団体、5試合に出場。アイスリボン、OZアカデミーは今年からの参戦だ。DDTでは高木三四郎と対戦、大仁田厚と爆破マッチで闘い、小橋建太プロデュース興行には2年連続の出場。ジャガー横田のデビュー48周年記念興行ではメインでレジェンドに立ち塞がった。
所属していたスターダムを「クビになって」1人で動き始めたのが一昨年の10月。今では“元スターダムのウナギ”ではなく、個人としての存在感や行動力でプロレスファンの目を惹きつける。どの会場にも駆けつける、公式グッズに身を固めたファン“ひつま武士”たちもおなじみだ。
話題になり固定ファンがいて、だからチケットが売れる。各団体から引っ張りだこになるのも当然だが、ウナギはただオファーが多い人気選手というだけではない。
決め台詞は「査定してやるよ!」。闘いたいリングに乗り込んで、観客の前で参戦の確約を取っていくスタイルだ。ウナギ曰く「乗り込む団体すべてでやりたいことがある」。惰性でやっていないからニーズも減らないわけだ。
初の自主興行後も衰えないウナギの勢い
今年1月、初の自主興行を開催して後楽園ホールを満員に。その後も勢いは衰えず、ディアナとマーベラスでタッグ王座に挑戦し、6月下旬もアイスリボン、ルチャ・リブレのイベント『ルチャフェス』でタイトルマッチ。アメリカの団体『KITSUNE』のシングル王座も防衛中だ。
OZアカデミーでは、ヒールユニット「正危軍」と対戦し、のちに共闘、さらに対立と大会ごとに立ち位置が変化している。雪妃魔矢、安納サオリ、(関口)翔と並び、あるいは向かい合う光景は“ビジュアル力”が抜群だった。