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大谷翔平、ジャッジも使用「あの黒いバット」の正体は? 日本の担当者に聞いた、愛される特徴&大谷効果「日本で使用する選手が倍増しました」
text by
内田勝治Katsuharu Uchida
photograph byNanae Suzuki(L)/Getty Images(R)
posted2024/06/21 11:03
「C」マークが特徴的なチャンドラー社のバットを使う大谷とジャッジ。なぜパワーヒッターが好んでこのバットを選ぶのか、その特徴を聞いた
「実際に日本人選手に渡して打った感想を聞いてみると“相当硬いですね”と述べられる方が多いです。NPBで使用している選手は、2022年は十数人だったのですが、昨年は40人ぐらいにまで増えました。間違いなく大谷さんの効果ですね」
大谷モデルをそのまま使いたいという要望が多いが…
日本ではグレゴリー・ポランコ(ロッテ)やタイラー・オースティン(DeNA)ら外国人選手の他に、昨季は万波中正(日本ハム)も使用するなど、日本人選手にも浸透してきた。
「昨年は大谷選手のモデルをそのまま使いたいという要望が多かったですね。それで買って頂いて、その後はメーカーとの契約などもあるので、試合で使っている選手はあまりいなかったです。大谷さんが使うバットがどういうものなのか、興味で一度手にしたいということもあったのかなと思います」
大谷バットの長さはノックバット並み
大谷はそれまでアシックス社の33.5インチ(約85.1センチ)、32オンス(約907グラム)のバットを使用していた。2021年シーズンには、素材をしなりのあるアオダモから、硬い打感が特徴のバーチに変更。そして昨季、チャンドラー社へのメーカー変更を機にメープルに変え、重さはそのままに、34.5インチ(約87.6センチ)の長尺バットを使い始めた。さすがにその長さのまま使用する日本人選手は皆無で、ほとんどが短いモデルに変更するという。
「87.6センチというと、私たち指導者が使う89センチのノックバットとほぼ変わりません。その長さで、体に近い球をさばけるのかというと、シンプルに大谷さんのようなフィジカルがないと無理なんだと思います」
大谷バットの特徴を考察
ただ、日本支社ではなく、あくまで日本での代理店なので、大谷が今この瞬間どのようなモデルを使用しているか、リアルな情報は入ってこない。そこで毎日、メジャーリーグ中継やSNSなどを頻繁に視聴、閲覧し、大谷が使うバット先端に刻印されている長さと重量に目を凝らす。