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ブラジル人記者の町田ゼルビア本音評価「良い意味で嫌らしい」筑波大戦“ラフプレー論争”には「クロダ監督…ブラジルの監督のようだ」

posted2024/06/19 11:00

 
ブラジル人記者の町田ゼルビア本音評価「良い意味で嫌らしい」筑波大戦“ラフプレー論争”には「クロダ監督…ブラジルの監督のようだ」<Number Web> photograph by FCMZ

躍進する町田ゼルビアを率いる黒田剛監督。ブラジル人記者の目にはどう映るか

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沢田啓明

沢田啓明Hiroaki Sawada

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 3月中旬から日本に長期滞在したブラジルのスポーツメディアきっての日本通チアゴ・ボンテンポ記者(38)が、3カ月近いの旅を終えて帰国した。当初、関東と東北を滞在したのちに4月中旬から関西、広島、中部地方でフットボールと文化全般を堪能。帰国直前の5月下旬から6月上旬までは関東で精力的に各クラブをチェックした。その中で「日本各地のスタジアムで多くの試合を見てきたが、最も印象深いチームの1つが町田ゼルビア」と語る。

 5月22日のルヴァンカップ3回戦の鹿島アントラーズ戦の見事な勝利(2-0)と6月1日のJリーグ第17節新潟アルビレックス戦の意外な敗戦(1-3)をスタジアムで見届けての率直な感想を聞いた。(全2回の第1回/第2回も配信中)

良い意味で、とても嫌らしいチームだね

――昨年、J2で圧倒的な強さで優勝してJ1へ初昇格し、今年もここまで大暴れしている町田をどのように分析していますか?

「周知の通り、黒田剛監督が勝利へのあくなき執念と敗北への強いアレルギーをチーム全体に叩き込んだ。選手全員が球際で強さを発揮し、カウンター、ロングボール、セットプレー、ロングスローなどの武器を駆使して早い時間帯に先制し、それを守り切る。

 ボールポゼッションに拘泥せず、むしろ相手にボールを持たせておいてから強引に奪い取ってからカウンターで攻めるのが得意技。それゆえ、ホームよりむしろアウェーで、下位チームより上位チーム相手により本領を発揮する。良い意味で、とても嫌らしいチームだね」

――飛び抜けたスター選手がいるわけではない。

「試合前のメンバー紹介で、サポーター・ファンから一番大きな拍手を受けるのは監督。これは、日本では前代未聞じゃないかな。ただしスーパースターはいなくても、各ポジションに好選手が揃っている」

――カウンター中心でロングボールが多いが、さりとてパスをつなげないわけではない。

「そうそう、その通り。平河悠、ナ・サンホらテクニックがあってドリブル突破ができたりパスをつなげる選手もいる。状況に応じて、最も適したプレーを選択しているんだ」

なぜ開幕前に“降格の恐れなし”と予想した?

――今季の開幕前、あなたはブラジルのメディアに書いたJリーグ展望記事で「町田は中位以上を狙えるのではないか」と予想した。J2から昇格したチームはJ1で残留争いに巻き込まれることが多いわけですが、「降格の恐れがあるグループ」には入れなかった。それはなぜですか?

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