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熱狂とカオス!魅惑の南米直送便BACK NUMBER
ブラジル人記者の町田ゼルビア本音評価「良い意味で嫌らしい」筑波大戦“ラフプレー論争”には「クロダ監督…ブラジルの監督のようだ」
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byFCMZ
posted2024/06/19 11:00
躍進する町田ゼルビアを率いる黒田剛監督。ブラジル人記者の目にはどう映るか
「様々な要因がある。サイバーエージェントという財力のある会社がスポンサーで、昨年のJ2優勝に満足することなく、レギュラーをほとんど一新するほどの大型補強を敢行した。黒田監督も、プロの世界に入って2年目で、経験を積んでいる」
――Jリーグの多くのクラブの代表者が主要スポンサーから送り込まれているのとは異なり、サイバーエージェントの藤田晋社長自身が町田のCEOを兼務しています。
「町田からは、Jリーグの盟主となり、アジアのトップクラブとなって世界へ躍り出よう、という野心を感じるんだ。現に、町田のサポーターと話していると、彼らはすでに今季のJリーグ優勝のみならず来年のアジアチャンピオンズリーグ(ACL)制覇まで見据えている」
最も嫌悪されているチームと表現したが
――シーズン序盤に書いた記事で、あなたは町田のことを「日本で最も嫌悪されているチーム」と表現しました。確かに当時は時間稼ぎ、ファウルの多さ、ロングスローなどに対する批判の声が非常に多かった。しかしその後、シーズンが進むにつれて、これらの批判がやや沈静化していました。なぜだと思いますか?
「最初の5節で4勝1分というロケットスタートを決めただけでなく、全38節中の17節、つまりシーズンの半分近くを消化しても首位を走っている。今年のみならず近年のJリーグで最大のサプライズであり、結果を出すことで批判の声を封じようとしているんだろう」
――初昇格ではないものの、J2を制覇した翌年、すぐにJ1で優勝した例としては、2011年の柏レイソルと2014年のガンバ大阪があります。
「2011年の柏は、大敗を喫して『もうダメだろう』と思われたこともあったが、決して連敗することなく持ち直した。これまでの町田にも、同じことが言える」
――5月22日のルヴァンカップの鹿島戦は、双方が先発メンバーを大幅に入れ替えながら、町田が試合を支配して完勝しました。
「町田は選手層が厚く、誰が入っても同じチームのプレースタイルが変わらない。これに対し、鹿島は守備陣の選手層が薄い。この弱点を露呈してしまった」
“勝負へのこだわり”は非常に強く感じる
――ただし、6月1日の新潟戦では町田らしさが出なかった。
「うーん、不思議な試合だったね。本来、町田がやるべきこと、やりたいことを新潟にやられてしまった。球際で負ける場面が多かったし、チャンスを作りながらも決めきれなかった」
――どうしてこのような試合内容、結果になったと思いますか?