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「今思えば…無謀な計画でした」三浦璃来&木原龍一“りくりゅう”が明かす苦難のリハビリ秘話「ニタニタは止めてもらいたいです(笑)」の真意とは?
text by
野口美惠Yoshie Noguchi
photograph byAsami Enomoto
posted2024/05/26 17:00
試練の1年を語った三浦璃来&木原龍一の“りくりゅう”ペア
「怪我をしている本人が一番焦ってしまうもの。でも2年後の五輪を考えて、『今しっかり治した方が良いんだよ』と話しました」
リハビリの時期をどう支えていくか、三浦は考えた。昨季は、木原は名古屋で氷上練習、三浦はその間にリハビリ施設と、別々に時間を過ごした。しかし今回は違った。
「コーチから『龍一くんのいるところで練習を頑張ることが、彼のモチベーションになる。2人で一緒に強くなりなさい』と言われました」
2人のスケジュールは多忙になった。朝起きると、まずは木原の運転でトロント郊外にあるスケート場へ向かう。
「氷に乗る許可が出るまでは、ただリンクサイドで三浦さんの練習を見ていました」
ランチはゆで野菜や低脂肪の肉など自前のヘルシーな弁当を一緒に食べ、午後はトロントの街中にある病院へ片道1時間以上かけて移動。木原は腰痛を回復させるリハビリに、三浦は脱臼予防の筋力トレーニングに取り組んだ。
「一緒にいることは大切だなと思いました。『頑張っているのは自分だけじゃないか』という不信感は生まれません。むしろ『自分ももっと頑張ろう』と思えましたし、三浦さんが苦しそうにリハビリしているのを『もっと追い込んでもらっても良いぞ!』とニタニタ笑いながら見ていました」
三浦が察知した木原の異変とは…
三浦は苦笑いで返す。
「昨年のように一人で黙々とリハビリをやるよりも、そばに居てくれるだけで『よし、私もここでしっかり治すぞ』という気持ちになることができました。でも……ニタニタは止めてもらいたいです(笑)」
12月までの全試合を欠場した2人。練習が解禁されたのは、1月の第2週だった。ところが、待ちに待った氷上練習で、木原は人が変わったように弱音を吐いた。
「とにかく何をやっても『僕には出来ない』と言っていました。ジャンプは失敗、リフトの感覚も戻りきらない。ネガティブな気持ちが言葉になって出ていました」
三浦は、すぐに木原の異変を察知した。
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