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「ダルビッシュ君は天才」桑田真澄がホレた才能…“タバコ騒動”から19年、WBCで「エグい!」後輩に愛される“37歳の200勝投手”になるまで
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NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph byAdam Glanzman,Getty Images/Koji Asakura
posted2024/05/20 17:01
日米通算200勝を達成したダルビッシュ有。そのキャリアを名投手や監督の言葉とともに振り返ってみよう
「彼はリーグでベストの投手の1人。バランスを崩し続けることで、相手の打者が打席でプランを立てることをタフにさせている。あれだけ多くの球種をベースの両サイドに投げ分けられるのは尊敬すべきこと。私の心の中で、この男は最高だよ」
WBCで阪神・湯浅が「エグい!」と繰り返して大興奮
<名言4>
エグい、エグい!
(湯浅京己/NumberWeb 2023年2月18日配信)
https://number.bunshun.jp/articles/-/856513
◇解説◇
日本の野球ファン——いや世間一般がダルビッシュの円熟ぶりについて広く認識したのは、2023年のWBC日本代表での振る舞いだろう。
世界一奪還を果たした大会期間だけでなく、宮崎で行われた強化合宿から、その存在感は絶大だった。
初日から一回り年下の佐々木朗希や宮城大弥とスマートフォンなどを活用しながらピッチングについて意見交換。その後も今永昇太や捕手の甲斐拓也とも積極的にコミュニケーションを取ったかと思えば、投手陣だけでなく野手陣とも食事会などをした様子をSNSで発信し、今季からパドレスでチームメートとなった松井裕樹や宇田川優希、戸郷翔征らを盛り立てたり感謝を伝えるなど、グラウンド内外で話題を振りまいた。
投球理論やリーダーシップはもちろんのこと、選手たちにインパクトを与えているのは、やはり実際の練習だったそうだ。かつて日本ハム時代のキャッチャーで共闘し、侍ジャパンではチームスタッフを務めた鶴岡慎也とダルビッシュがキャッチボールを始めると、遠投を見た湯浅は思わず……。
「エグいっす! 体がデカい! やっぱり1球、1球、ボールが強い。変化球も。いろんな変化球を投げていて、(直接、アドバイスを)聞ければ色々と聞きたいな、と思いました」
理想のピッチングを追求する姿を貫いているからこそ、メジャーリーグの舞台でも長年戦い続けられていることを侍の若き投手陣も実感していた。
ブレーブス戦後、NHKのフラッシュインタビューに応えたダルビッシュは「大谷(翔平)君の放送をやめてまで中継してくださっているので、今日でなんとか決めたいという気持ちはありました」とユーモアと気遣いをまじえながら「プロに入った時にいろいろあって、その中でファイターズやファイターズファンの方々、日本全体が優しく育ててくださったので、自分の元になっています。感謝を忘れずにやっています。また201勝目をできるように、明日から調整していきたいです」などと語った。
なおダルビッシュは36歳だった2023年に、パドレスと6年の長期契約を結ぶなど絶対的な信頼を得ている。日本のエースのピッチングから、200勝以降も目が離せない。
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。