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《ジャスティンミラノ騎乗》日本ダービーに臨む戸崎圭太が明かした“天国の藤岡康太”への誓い「康太、ありがとう。お疲れさまでした」
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byKiichi Matsumoto
posted2024/05/24 17:00
無敗で皐月賞を制したジャスティンミラノ
友道はそう振り返る。友道厩舎では、どの馬も2週前と1週前の追い切りである程度のレベルまで仕上げ、レースの当該週は調教助手が乗って軽めの調教をする、という形を取っている。藤岡は、ほどよく負荷をかけるための追い切りに騎乗するという重要な役割を担っていたのだ。
「康太がうちで攻め馬に乗るようになったのは、彼がフリーになった'13年ごろからだと思います。馬は、騎手が乗ったとわかるとスイッチが入ってしまうことがあるのですが、康太は当たりが柔らかいので、すごくソフトに乗ってくれるんです。馬を動かせる騎手はたくさんいますが、康太は、スイッチを入れることも、入れずに乗ることもできる騎手でした。体内時計の感覚も素晴らしく、例えば、80何秒で乗ってきて、と言えばぴったりに乗ってきました」
「あいつのずるいところは、笑顔しか残っていないんです」
ジャスティンミラノ同様、藤岡は、自分がレースで乗らない馬の調教であっても、嫌な顔ひとつせず協力した。それでも、前述したダービー馬3頭のうち、マカヒキとワグネリアンのレースに乗り、勝ち鞍を挙げたこともあった。
「去年の天皇賞・秋で、武豊騎手が負傷してドウデュースが戸崎さんに乗り替わりましたが、康太がもし東京にいたら、間違いなく康太になっていたと思います。こんなにいいやつがいるのかというくらい、人柄もよかった。あいつのずるいところは、笑顔しか残っていないんです。怒った顔とか、不機嫌そうな顔などはまったく思い出せない。だから余計につらいですね」
ジャスティンミラノは、'23年11月18日に東京芝2000mで行われた新馬戦を、トム・マーカンドを背に快勝。レース後すぐ放牧に出された。
友道はつづける。
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