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サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
サッカー五輪代表「OAの3枠」の本命は誰か?「筆頭候補は板倉滉27歳、2人目は…」攻撃力重視ならオランダで得点量産中“あのFW”も
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byKiichi Matsumoto/JMPA
posted2024/05/10 17:27
所属クラブのボルシアMG、そしてA代表でも主力を担う27歳の板倉滉。オーバーエイジでのパリ五輪招集が叶えば大きな戦力になる
対アジアと対世界では、日本の戦いぶりが変わってくる。相手の攻撃を受け止める、しのぐ、といった時間が、アジア最終予選よりも長くなる。守備の安定は上位進出の大前提で、オーバーエイジの2枠をCBに充てるとの考えも成り立つ。たとえば、伊藤洋輝(シュツットガルト)や町田浩樹(ユニオン・サンジロワーズ)は、CBと左SBでの起用が見込める。サイズがあって左足の精度も高い。どちらか1人を招集することで最終ライン中央の安定感が増し、選手層のプラスアルファを生み出せるが、オーバーエイジが必要なポジションは他にもある。ここは板倉1人としたい。
2人目は戦術的柔軟性をもたらす「あの選手」
オーバーエイジの2人目には、守田英正(スポルティングCP)を選ぶ。
対世界の戦いとなるなかで、4-3-3のアンカーには守備でタフに戦いつつ、攻撃にも関わっていける選手がほしい。藤田譲瑠チマ(シント・トロイデン)が物足りないとは言わないが、決勝までの6試合を戦う想定で考えていくと、累積警告による出場停止は想定しておかなければならない。交代枠を活用しながら乗り切っていくことを考えて、守田を加えたいのだ。4-3-3ならアンカーとインサイドハーフ、4-4-2と4-2-3-1ならダブルボランチに対応できる彼は、戦術的柔軟性をもたらす意味でも適任と言える。
3人目はポリバレントな旗手怜央か、攻撃力の小川航基か
3人目はチーム全体のバランスで考える。
選手層を厚くしたいのなら、旗手怜央が候補にあがってくる。所属するセルティックではインサイドハーフで起用されているが、サイドバックやウイングにも適応する。大岩監督の主戦術としてきた4-3-3はもちろん、4-2-3-1や4-4-2でも使いどころは多い。
プレースタイルも柔軟だ。ポジションの近い選手、同サイドの選手と連携しながら、U-23世代の特徴を引き出してくれるだろう。4-3-3ならインサイドハーフで、4-2-3-1ならダブルボランチの一角での起用を想定する。
五輪はフィールドプレーヤーの登録が16人に限られ、勝ち上がっていくことで消耗が激しくなる。21年の東京五輪では、準々決勝をピークに選手のパフォーマンスが低下していった。メダルを取るためには疲労の分散が不可欠で、旗手の招集でフィールドプレーヤーの使い分けがスムーズになるはずだ。
一方で、攻撃力アップを求めるなら小川航基(NEC)を候補としたい。
23-24シーズンに横浜FCからオランダ1部エールディビジのNECへ移籍した彼は、すでにリーグ戦10ゴールをマークしている。ポストプレーヤーとしての力強さは、U-23世代のFWを確実に上回る。得意の空中戦は、オランダでも得点パターンのひとつとなっている。4-3-3でも4-2-3-1でも、CFを任せられる選手だ。