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大学野球PRESSBACK NUMBER
《佐々木麟太郎進学で注目》日本人が知らない“名門・スタンフォード運動部のリアル”…現役日本人コーチ「学生ながら“5億円超”の契約も」
posted2024/04/09 11:03
text by
河田剛Tsuyoshi Kawata
photograph by
(L)Tsuyoshi Kawata、(R)Nanae Suzuki
佐々木麟太郎選手について言えば、野球に関してはほとんど心配していません。もちろん日米の違いに戸惑うこともあるかもしれませんが、基本は同じ競技です。言語の壁があっても、共通の話題ならば意外と何とかなるものです。
一方で、やはり学業との両立は相当、大変だろうなと思います。
現在、スタンフォード大で教鞭を執っている日本人教授の知り合いがいます。彼は京都大学を卒業し、1年間英語を勉強して大学院で修士号を取りにスタンフォードにやってきました。日本で言えば「アカデミックエリート」だと思いますが、その彼でも「最初の授業は半分も分からなかった」と言っていました。
語学面はもちろん…授業もハイレベル!
語学的な問題はもちろんのこと、そもそも扱っているテーマが非常にハイレベルなので、授業についていくハードルが高いのです。もちろん大学院と学部の違いはありますし、佐々木選手が何を専攻するかにもよりますが、いずれにせよ大変なことには変わりはありません。
アメフト部には現在、野球部と兼部の部員もいます。彼をはじめ、佐々木選手と授業がかぶるようなアメフト部の若い年代の選手にはミーティングで「佐々木選手と授業で一緒になったら、困っていることがないか声をかけてやれ」と伝えています。
「人生で初めて両親と離れて、寮で生活をするようになって、最初の授業に出た日のことを思い出してくれ。不安がないわけがない。しかも、周りは自分が育ってきた言語じゃない。そんなこと信じられるか? 彼のチャレンジを応援してあげよう」と言うと、皆、自分が初めてスタンフォードに来た日を思い出しているようでした。