Sports Graphic Number MoreBACK NUMBER
WBCで“日本のスナック菓子を愛した”あの米記者が本音…佐々木朗希を生で見たリアル評「“フォームに懸念”のアメリカ報道も」「ヤマモトは…」
text by
マイケル・クレアMichael Clair
photograph byGetty Images
posted2024/02/27 11:03
昨春のWBCで来日、マイケル・クレア記者が語る佐々木朗希と山本由伸の評価とは
話を戻そう。佐々木が降板した後のマウンドには、より経験豊かな山本由伸が上がった。佐々木をジャスティン・バーランダー風と評すなら、小柄な山本はペドロ・マルティネス風とでも言おうか。3回1/3を投げて4三振を奪った。
村上宗隆のサヨナラ二塁打で急上昇した心拍数が落ち着いた試合後、MLBファンは聞きたかった質問を口に出す。
「ササキとヤマモトはいつメジャーに来るの?」「サイ・ヤング賞を獲れる?」
朗希の現地評「並外れている」「フォームに懸念」
世界は変わった。スマートフォンやストリーミングサービスは、ある意味で国境をなくした。アメリカのリビングでNPBを観戦できるなんて、数年前は想像すらできなかった。同様にメジャーの世界も変わった。今年の開幕ロースターに米国外で生まれた選手は269人。リーグ史上3番目に多い数字だが、それを上回るのが、ロースター枠が拡大されていた'20年(30人)と昨年(28人)のシーズンであることを踏まえると、26人枠の今年は実質的に“史上最多”といえる。MLBはいまや世界中の選手がプレーする舞台なのだ。
佐々木が並外れた存在であることは間違いない。21歳という若さ、192cmの体格、100マイル超えの速球と打者の手元で消えるフォーク。まさに本物のシド・フィンチ――'85年のエイプリルフールに米スポーツ誌『スポーツ・イラストレイテッド』が紹介した架空の大物新人投手――である。
そんな佐々木にもスカウトや球団関係者から懸念の声が挙がる。緩いスピードの球種をもっと活かせないのか。足を高く上げる動き、あるいはCBSスポーツのR・J・アンダーソン記者が「細かな制球力とケガのリスクから否定的に見られている」と指摘する、投球フォームの序盤で右手首をひねる動作を捨てられないか。