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森保ジャパン10連勝も“策士トルシエ68歳”なお健在…「私が作り出したものを消費し尽くそうと」“日本代表でモメた日”と再評価したい手腕
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NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph byZhizhao Wu/Getty Images,Kazuaki Nishiyama
posted2024/01/15 17:01
アジア杯でベトナム代表を率いるフィリップ・トルシエ。日本代表を率いた頃も話題に事欠かなかった
例えば2003年のコンフェデレーションズカップである。日本はグループリーグで敗退した。内容的には好ゲームもあったのだが……「日本が負けたのはジーコの選択の問題」とトルシエは一刀両断した。
「私は監督だが、ジーコは消費者だ」
こんな痛烈な言葉を放ったのだ。
「私のときとは違い、ヨーロッパ組の招集も簡単ではない」とフォローしつつも、「ジーコは選手を消費する。彼は最高の選手を選び、選手は彼の求めに応じて自由にプレーする。しかし彼は何も作り出さない。彼自身がチームにプラスアルファを何も与えない」と皮肉った。
日本代表監督時代、何かと“モメていた”
さらに言えばトルシエは日本代表監督時代、何かと物議を醸したことは間違いない。象徴的な出来事をザッと羅列するだけでも……。
・1999年コパアメリカ敗退後、協会内での“口論”
・2000年のトルシエ解任報道騒動
・最終ラインのフラットスリー/小野伸二、中村俊輔らプレーメーカー型の左アウトサイド起用論争
・01年コンフェデ杯、中田英寿が準決勝後にセリエA優勝が懸かるローマへ戻った際への苦言
アジアカップ開幕前、トルシエと旧知の記者である田村修一氏が行った「Number」最新インタビューによると、自身が率いた頃とジーコジャパンとの違いについて「チームを機能させるやり方が、ジーコと私とでは異なっていたからだ。監督はみな固有の哲学を持っている。ジーコにはジーコのやり方があった。それは私とは違っていた」とも振り返っている。
68歳となって“カドが取れた”トルシエだからこそ、分かる境地もあるのだろう。
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◇解説◇
日本サッカーは数々のテクニシャンを輩出してきた。その系譜にいる金田喜稔や木村和司に「頭の中を見てみたい」と言わしめたのが本山雅志だ。