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「気がついたら勝ち星が…」16年前の新人王右腕がいま明かす阪神・岡田彰布監督の“秘術”…大竹、村上もブレークさせた「自信の効用」とは

posted2023/12/29 17:00

 
「気がついたら勝ち星が…」16年前の新人王右腕がいま明かす阪神・岡田彰布監督の“秘術”…大竹、村上もブレークさせた「自信の効用」とは<Number Web> photograph by JIJI PRESS

2007年に新人王を獲得した上園

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酒井俊作

酒井俊作Shunsaku Sakai

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 スポーツ界は指導者が「変わらないといけない」と言われる時代になった。そんななか、今年、変わらないことで結果を出した人がいる。阪神を38年ぶりの日本一に導いた岡田彰布監督である。選手、そして、組織の本質を見抜いているから、あえて変わらないのだろう。12球団最年長の66歳の名伯楽の目には、きっと違うものが見えている。

根底にある「選手ファースト」

「戦力を失うな」

 岡田の18年前の口癖である。前回のリーグ優勝に導いた2005年当時から、用兵の根底に「選手ファースト」があった。選手の個性や特長を見極め、適材適所の役目を与えて戦う。これが岡田野球であり、歳月が流れても、そのスタイルは揺るがない。

 自信がつけば選手は育つ。とてもシンプルで当たり前のことが、岡田の育成哲学の1つになっている。たとえ、実績がなくても、成功を重ねさせて戦力に変える。今年の戦いぶりにそんな姿を見て取ったのは、かつての教え子である。

「村上頌樹投手や大竹耕太郎投手は、僕よりはいい投手ですが、それでも岡田監督が丁寧に使っている印象がありました」

 そう話すのは、06年の大学・社会人ドラフト3巡目で阪神に入団し、ルーキーだった07年に8勝をマークして新人王を獲得した上園啓史である。彼がつけた背番号41をいま背負うのが村上であり、同じ右投手だから、自然と目がいくのだろう。

【次ページ】 振り返って分かる起用法の妙

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