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「奨励会試験」を2度失敗、27歳のSEはそれでもプロ棋士を目指した…小山怜央が振り返る「サラリーマン時代」

posted2023/12/24 06:05

 
「奨励会試験」を2度失敗、27歳のSEはそれでもプロ棋士を目指した…小山怜央が振り返る「サラリーマン時代」<Number Web> photograph by JIJI PRESS

今年4月にプロ棋士となった小山怜央。本人が転機となったコロナ禍と会社を退職するまでを振り返る

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小山怜央

小山怜央Reo Koyama

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JIJI PRESS

 プロ棋士のほぼ全員が入会してきた奨励会。その登竜門を経ずに「編入試験」で今年2023年4月にプロの棋士となったのが、小山怜央だ。それまでの人生で2度、奨励会入りのチャンスを逃しながらも、IT企業のシステムエンジニア(SE)として働いていた小山はなぜもう一度プロ棋士を目指したのか。本人がその歩みを振り返った『夢破れ、夢破れ、夢叶う』(時事通信出版局)を抜粋して紹介する。全3回の第2回/前回はこちらへ。

通勤時間が減ったことで思わぬ時間ができるように

 新型コロナウイルスで人生が変わった人というのは、たくさんおられることだろう。いろんなお店が閉店を余儀なくされるなど、仕事を変えた人も少なくないはずだ。

 実は私もその一人かもしれない。ずっと将棋に接する時間が少なかったのだが、新型コロナウイルスにより仕事がリモートに切り替わり、通勤時間が減ったことで思わぬ時間ができるようになった。そこで改めて将棋をやってみようと考え、そのできた時間を将棋の勉強に費やすようになった。

 するとネット将棋でも、少しずつその成果が表れるようになった。

大きな意味を持つ3連勝

 そして同年、アマ竜王戦の全国大会は中止になるものの、前年の準優勝という成績からアマ枠で推薦されて竜王戦の6組に出場。すると泉正樹八段、門倉啓太五段、出口若武六段と3連勝する形で準々決勝に進むことができた。

 この三連勝というのは、私にとってとても大きな意味を持った。

 2014年から正式に制度化された棋士編入試験は、プロ相手の公式戦で10勝以上かつ六割五分以上の勝率をあげたアマチュア棋士と女流棋士に受験資格が与えられることになっている。これは成績がもっともいいところを取ればよく、3連勝というのはこのハードルを越す上で大変重要な意味を持った。

サラリーマン生活をしながらでは難しい

 それまでの私は、どんなにいいところ取りをしても2勝しかなく、この受験資格を得るなど夢のまた夢だったが、この連勝で一気に現実味が増した。このとき5勝3敗で、これから2勝1敗よりも少し上の成績でいければ、積み上がるのではないかと思えた。

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