- #1
- #2
JリーグPRESSBACK NUMBER
「ワシは根に持たん」“問題児覚醒と絶妙コンバート”の昇格請負人…石崎信弘65歳が選手に愛されるワケ「“やってみい!”いう感じでね」
text by
![ひぐらしひなつ](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/6/3/-/img_63c0172edf1a3eec5d5017836b5eb9301895.jpg)
ひぐらしひなつHinatsu Higurashi
photograph byJIJI PRESS
posted2023/12/05 11:01
![「ワシは根に持たん」“問題児覚醒と絶妙コンバート”の昇格請負人…石崎信弘65歳が選手に愛されるワケ「“やってみい!”いう感じでね」<Number Web> photograph by JIJI PRESS](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/7/9/700/img_795ccd89e8d549f99bcae4999792e36e293687.jpg)
2011年、コンサドーレ札幌をJ1昇格に導いて胴上げされる石﨑信弘監督
2020年に岐阜に就任したゼムノビッチ・ズドラヴコ監督は、川西を中心としたチームを作った。それが川西にとっては奏功して全試合出場10得点、安間貴義監督体制となった翌年も26試合出場13得点でリーグ得点王と個人的には好成績を残したが、チームは2年連続でJ2昇格を逃す。
「岐阜ではセンターフォワードとシャドーをやって結果が出てたけど、翔太を中心に作っているとどうしても周りが翔太に合わせるチームになってしまう。でもアイツ、ワシのときにはしっかりチームの約束事を守っていたよ。ワシの言うことは聞くもん」
そう言ってちょっとうれしそうに笑っていた石﨑は、2022年、自らの率いるカターレ富山に川西を呼び寄せる。カターレでは川西をセンターフォワードとして全試合で先発起用し、川西もチーム最多の7得点を挙げてそれに応えた。そのシーズンも終盤に差し掛かった9月19日、当時の5位からJ2昇格争いを目指してもう一段階ギアを上げるためという理由で石﨑がカターレでの任を解かれるまで、2人の蜜月関係は続いたのだった。
許容範囲が広いからかな。ワシ自身が根に持たない
ADVERTISEMENT
石﨑を慕う選手は川西の他にも多くいる。
「許容範囲が広いからかな。ワシ自身が根に持たない」
かつて率いたチームの中には、二日酔いでグラウンドに現れたり、どこで喧嘩してきたのか顔を腫らしていたりといった選手がいたこともあった。
「なかなか上手く自分を表現できなくて、試合で使ってもらえないと変な方向に行ってしまうんだね。でもそういう選手は大抵、能力が高い。サッカーが下手で性格がひねくれてたらプロではやっていけないけど、やっぱり長くプロでやっていけてるってことは、上手いってことなんだよね。だからもちろん彼らにはプロとしての姿勢について話はする。だけどワシが根に持つことはない。上手けりゃいいじゃん、ちゃんと練習してるんだからって」
卓抜した才能に恵まれながら埋もれている選手たちを、一度や二度の失敗で切り捨てることなく育ててきた過去がある。そういう選手たちはタイミングよくきっかけを掴めさえすればグンと伸びるのだと、石﨑は言った。
チュンソンだって最初はひどかったんだよ
「チュンソンだって最初はひどかったんだよ。あれもひねくれてたからね」
懐かしそうに振り返るのは柏レイソルで出会った李忠成のことだ。