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競馬学校でも恒例「坊主」…騎手はどう思っている?「嫌ではなかった」「許しが出たら伸ばそうかな」関係者9人に聞いた、髪型の話 

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大恵陽子

大恵陽子Yoko Oe

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photograph bySankei Shimbun

posted2023/12/03 06:00

競馬学校でも恒例「坊主」…騎手はどう思っている?「嫌ではなかった」「許しが出たら伸ばそうかな」関係者9人に聞いた、髪型の話<Number Web> photograph by Sankei Shimbun

卒業式に出席した競馬学校の生徒たち。騎手クラブの会長を務める武豊と坊主姿の男子生徒が記念撮影を行うのが恒例となっている

「地方競馬教養センターでは『肩より短い髪型』ということで、入所時にショートカットにしました。その後、一時期は腰まで髪の毛を伸ばしていました。ファンの方に『ポニーテール(=馬の尻尾)がトレードマーク』と言っていただいていたので切らずにいたんですけど、最近鎖骨までバッサリ切りました。夏は暑かったし、いいかな、と。もっと短くしたいんですけど、短すぎるとヘルメットをかぶる時に髪をくくれないと邪魔になるかもしれないな、と思っています」

 こちらはあくまでも利便性重視。女性は坊主という文化がないためか、髪型に関しては男性より寛容なのだろう。JRAでも鎖骨まで伸ばす女性騎手も珍しくなく、ミカエル・ミシェル騎手が19年にワールドオールスタージョッキーズでJRA初騎乗を行った際には「あれだけ長い髪の毛をどうやってヘルメットに収めるのか気になって見ていた」という調教師もいたほどだ。女性の場合は自他ともに「いかに騎乗の邪魔にならないか」という点への関心が高いことがうかがえる。

髪型にもプロとしての意志が見て取れる?

 こうして9名の意見を聞いてみると、現在の風潮としては「坊主の必要はない。ただし、見習騎手の間は坊主の方が好印象」ということだ。また、「プロとして周囲からどう見られているかを意識した方がいい」ということも重視されている。騎手は競馬界では最も花形だが、一人で仕事をしているわけではない。騎乗依頼をくれる馬主や調教師、騎乗馬のケアをしてくれる厩務員や獣医師、装蹄師、そして馬券を買って応援してくれるファンなど多くの関係者がいて成り立っている。だからこそ髪型一つとっても、彼らから信頼される、あるいは納得させられるだけのプロとしての強い意志が必要なのではないだろか。

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