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競馬学校でも恒例「坊主」…騎手はどう思っている?「嫌ではなかった」「許しが出たら伸ばそうかな」関係者9人に聞いた、髪型の話 

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大恵陽子

大恵陽子Yoko Oe

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photograph bySankei Shimbun

posted2023/12/03 06:00

競馬学校でも恒例「坊主」…騎手はどう思っている?「嫌ではなかった」「許しが出たら伸ばそうかな」関係者9人に聞いた、髪型の話<Number Web> photograph by Sankei Shimbun

卒業式に出席した競馬学校の生徒たち。騎手クラブの会長を務める武豊と坊主姿の男子生徒が記念撮影を行うのが恒例となっている

 これに対して弟子の田口貫太騎手(19歳)も「先生からは『まだ坊主で』と言われているので、しばらく坊主でいます。野球をしていて、これまでもずっと坊主でした。でも、いつまでもそれはおかしいので、許しが出たら伸ばそうかなと考えています」

僕も減量が取れるまでは坊主でした

 大橋調教師と同意見を持つのは昨年、地方競馬全国リーディングに輝いた地方・兵庫所属の吉村智洋騎手(38歳)。騎手候補生の息子を持つ親の立場でもある。

「はじめの頃は坊主でいいと思います。僕も減量が取れるまでは坊主でした。ちょうど伸ばしたくなる年頃だったので、その後に徐々に伸ばしていきましたけど、今となってはどっちでもいいなと思います。強制ではないので後輩たちには『好きにしたらいいんじゃない』と思います。慶応義塾高校は批判も多かったと思いますけど、実力でそれを制して素晴らしいですね。ただ、もしも自分が調教師で新人騎手を預かるとしたら『減量が取れるまでは坊主にしとき』って言うかな。騎手の場合は坊主かお洒落な髪型をしているか、だと、たぶん前者が可愛がられると思うんです。年長者にはそういう考えの方も多いでしょうし、髪型だけでプラスになるのであれば、坊主にして損はないと思います」

おしゃれな若手騎手も「髪色には気をつけている」

 ここに高校野球との明確な違いがある。騎手は人気商売でもあり、馬主や調教師から騎乗依頼がなければレースには参加できない。そのため、周囲からの印象を大切にする騎手は多いのだ。たとえば、デビュー3年目の角田大和騎手(22歳)はサングラスと眼鏡を40本近く収集するなどファッションアイテムにこだわりを持つが、髪色にはこんなポリシーがある。

「職業柄、馬主さんとお会いすることも多いので、黒かダークブラウンにするようにしています。僕はファッションが好きなので、それに合わせて騎手デビュー後は髪型もおしゃれにしましたけど、髪色は気をつけています」

茶髪でも、師匠から特に何かを言われたことはなかった

 そう話した後、やや冗談交じりに父であり元騎手の角田晃一調教師についてこう教えてくれた。

【次ページ】 「どう見られるか」の意識

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