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キタサンブラックvsサトノダイヤモンド、2度の激闘をアニメ『ウマ娘 プリティーダービー Season 3』はどう描いたか?【ウマ娘考察#5】

posted2023/12/01 18:00

 
キタサンブラックvsサトノダイヤモンド、2度の激闘をアニメ『ウマ娘 プリティーダービー Season 3』はどう描いたか?【ウマ娘考察#5】<Number Web> photograph by ©2023 アニメ「ウマ娘 プリティーダービー Season 3」製作委員会

史実でも2度の激闘を繰り広げたキタサンブラックとサトノダイヤモンド。ウマ娘の世界線ではどのように描かれたのか

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屋城敦

屋城敦Atsushi Yashiro

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©2023 アニメ「ウマ娘 プリティーダービー Season 3」製作委員会

 2023年10月4日より放送中のTVアニメ『ウマ娘 プリティーダービー Season 3』。クロスメディアコンテンツ『ウマ娘 プリティーダービー』(以下、『ウマ娘』)の柱のひとつであり、今シーズンではキタサンブラックらを軸に、夢に向かって駆けるウマ娘たちの物語が描かれていく。
 本稿では、主人公キタサンブラックと“サトノのジンクス”から解き放たれた親友サトノダイヤモンド、ふたりの死闘を描く第7~9話を振り返る。今回も、モチーフとなった史実との共通点や、『ウマ娘』ならではのこだわりを楽しんでいただきたい。<第1話から読む方は#1へ>

“フォーク”ばかり使うシュヴァルグラン

 【第7話】

 冒頭で描かれたレースのモチーフは、2016年11月27日開催の第36回ジャパンカップ。有力な外国調教馬の参戦がなかったこともあるが、上位陣は日本馬が独占していた。このレースでキタサンブラックは、サウンズオブアースやシュヴァルグランらの猛追を振り切り完勝、“古馬最強”と目されるに至る。史実ではジャパンカップの前に京都大賞典にも勝利しており、まさに“充実の秋”を迎えていた。

 このレースで3着に食い込んだのがシュヴァルグランである。その姉ヴィルシーナは、秋華賞を勝利したばかりの妹ヴィブロスに「ジェンティルさんにやられっぱなしでずーっと2着だった」と言われていた。それは確かに事実なのだが、負けたレースがすごい。桜花賞、オークス、ローズステークス、秋華賞と、ジェンティルドンナさえいなければトリプルティアラ(3冠)だ。なお、秋華賞の後もエリザベス女王杯でも2着に敗れ、5戦連続2着という記録を残している。

 この3きょうだいのシーンでシュヴァルグランはフォークのみでパンケーキを食べている。じつはこれまでの食事シーンでもフォークばかり使っているのだが、これは馬主である名投手の佐々木主浩氏を意識したものだろう。レースとは関係なさそうなシーンにも実際のサラブレッドに関する要素がさりげなく盛り込まれているのだ。

【次ページ】 「サトノの他の子たち」とは?

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