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“まさかの発言”ルメールのイクイノックス評「ポニーみたい」は最上級のホメ言葉だった…ジャパンカップ圧勝後に陣営が明かした“奇跡のバランス”
posted2023/11/27 17:12
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
Keiji Ishikawa
「長くみなさんの記憶に残るレースだったと思います」
勝利騎手の言葉通り、忘れろと言われても忘れることのできない、とてつもない強さを見せつけられた。
「おいおい、持ったままだよ」スタンドからは驚嘆の声
1着賞金5億円の第43回ジャパンカップ(11月26日、東京芝2400m、3歳以上GI)で、クリストフ・ルメールが騎乗した1番人気のイクイノックス(牡4歳、父キタサンブラック、美浦・木村哲也厩舎)が4馬身差で優勝。歴代最多タイのGI6連勝をなし遂げ、史上初となる総獲得賞金20億円突破を果たした。
パンサラッサが大逃げを打ち、向正面なかほどで、2番手のタイトルホルダーを12、3馬身引き離した。1000m通過は57秒6という超ハイペース。
イクイノックスは、タイトルホルダーの4馬身ほど後ろの3番手につけた。
「いいスタートを切って、パンサラッサとタイトルホルダーの後ろに行くことができました。イメージ通りのべストポジションでした」とルメール。
その3、4馬身後ろの4番手の内に川田将雅のリバティアイランドがいて、外をスターズオンアースが並走している。
3コーナー手前で2番手以下の馬群がやや凝縮された。イクイノックスはタイトルホルダーとの差を2馬身ほどに詰め、その1馬身半ほど後ろにリバティアイランドとスターズオンアースがいる。
パンサラッサが大きなリードを保ったまま直線へ。
7、8馬身離れた2番手はタイトルホルダー。3番手のイクイノックスは、ラスト400m地点で外からタイトルホルダーに馬なりで並びかけ、2番手に浮上した。この時点で、早くも勝負は決していた。
「おいおい、持ったままだよ」と、あまりの強さに、スタンドから驚きを通り越して呆れたような声が上がった。
直後で、リバティアイランドとスターズオンアースの鞍上がアクションを大きくして追いすがろうとするが、イクイノックスは、ノーステッキのまま差をひろげて行く。ラスト200m手前でパンサラッサをかわして先頭に立ち、後続をさらに突き放してストライドを伸ばす。ルメールが後ろを振り返ってセーフティリードであることを確かめ、最後の5、6完歩は流すようにしてゴールを駆け抜けた。