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「日本財団とマッチングしたら面白いんじゃないか」中田英寿の広げる力「社会貢献はもっと格好良くていい」という発想「楽しいし幸せを感じる」
posted2023/12/08 07:00
text by
矢内由美子Yumiko Yanai
photograph by
Kiichi Matsumoto
――中田さんが社会貢献を意識するようになったきっかけを教えてください。
中田「僕が長くプレーしたヨーロッパではチャリティーマッチが多くあり、現役時代からよく出場していました。世界中から選手が集まって試合をするのは、社会貢献という目的ではありますが、自分たちも楽しかったんです。どのスポーツにも人を集める力はありますが、特にサッカーは世界中で行われていて求心力があります。スポーツという枠を超えて多くの人に影響を与える力もあります。例えば、引退後にアフリカなど世界中を回っている時に感じたのは、ワクチンを打ちますと言っても人は来ないけど、サッカーの試合やりますというと来るんだということ。だから、競技場にワクチンを打てる環境を作る。そのように、サッカーが人を集めるツールとして活用されているのも見てきました」
――日本ではほとんど知られていないように思います。
中田「自分自身も、
――世界ではサッカー選手に限らず、
中田「
――著名人の活動が知られていない一方で、近年は日本国内での社会貢献に対する意識が変化しているようにも感じられます。
笹川「この10年間は、世の中に震災、コロナ、戦争が立て続けにあるという、極端な時間でした。今の学生たちが就職活動で企業に求めることの第1位は社会貢献しているかどうかです。若い世代の意識が変わると、企業は動かざるを得ません。ですから、将来的には国民の約半数は社会貢献に従事してるのではないかと思います。社会貢献するアスリートは理想の姿としてリーダーになりえますし、大きなムーブメントになる可能性があります」
「僕らはやり方が下手でした」
――そのためにも、もっと知られることが大事ですね。