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「湯浅? 最初からいくつもりやった」阪神・岡田彰布監督の決断に対しオリックス・中嶋聡監督の継投策は? 山本由伸の発言に疑問符のワケ
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![鷲田康](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/6/3/-/img_63c0172edf1a3eec5d5017836b5eb9301895.jpg)
鷲田康Yasushi Washida
photograph byHideki Sugiyama
posted2023/11/03 18:50
![「湯浅? 最初からいくつもりやった」阪神・岡田彰布監督の決断に対しオリックス・中嶋聡監督の継投策は? 山本由伸の発言に疑問符のワケ<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/a/b/700/img_aba86fe5ef4807b574884ebfe99ab610361133.jpg)
日本シリーズ第5戦、投手継投策が勝敗のカギを握った。日本一に王手をかけた阪神・岡田監督(左)と巻き返しをはかりたいオリックス・中嶋監督。第6戦はいかに…
「湯浅? 最初からいくつもりやった」
反撃の流れを作るためにはこの回が勝負と決めて、8回のマウンドに送り出した。
「出てきたときも歓声が凄くて、そういった力をもらいながら、絶対に3人で抑えるって気持ちでマウンドに上がりました」
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こう語った右腕は先頭のゴンザレスを二ゴロに打ちとると、続く紅林弘太郎内野手、若月健矢捕手を連続三振に仕留めたパーフェクトピッチ。ゲームチェンジャーの役割をしっかり果たしてマウンドを降りる。
オリックス中嶋監督の継投は…
阪神ベンチの湯浅投入で球場の空気が変わった瞬間に、今度は三塁側の中嶋監督が動く。7回まで4安打無失点と好投を見せていた先発・田嶋大樹投手からの山﨑颯一郎投手へのスイッチだった。
「いつもでしたら(8回も)いっていたと思うんですけど。まあちょっと芯に当たり出したかな、と。迷わずと言えば迷わずです」
こう田嶋の交代を説明した中嶋監督にとり、山﨑颯投入は普段ならば何の特別なこともない必勝パターンの継投であるはずだ。
ただこのシリーズのこの場面では、いつもと違う背景がある。第2戦で3番手として8回のマウンドに上がった山﨑は、3戦目以降はベンチを外れ、この日、3試合振りに出場登録された試合だったのだ。もちろん“塩対応”で知られる中嶋監督が、ベンチを外した理由を報道陣に語ることなどない。それでも第2戦での登板以降に、何かしらのアクシデントがこの右腕を襲っていたことは明白だ。そういう意味ではアクシデント明けの山﨑へのこのスイッチは、中嶋監督の勝負手であり、結果的にはその勝負にオリックスは敗れたことになる。
継投失敗…1つだけ「もし」があるとすれば
ミスからのKO劇だった。