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ドラフト指名漏れで話題「“順位縛り”は個人的に疑問です」谷繁元信(元中日監督)が持論「確かに4位以下は契約金が安いですが…」
posted2023/11/03 11:06
text by
谷繁元信Motonobu Tanishige
photograph by
Asahi Shimbun
超高校級スラッガーの指名漏れ、史上最多の23人が指名された独立リーグの躍進など、さまざまなトピックが注目を集めた2023年のドラフト会議。元中日監督の谷繁元信氏は、議論を呼んだ「順位縛り」をどう考えるのか? また、セ・パ12球団でもっとも「興味を惹かれた指名」とは? 史上最多の通算3021試合に出場したレジェンドが、鋭い視点でドラフト会議を総括する。(全3回の3回目/#1「セ・リーグ編」、#2「パ・リーグ編」へ)
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「独立リーグから計23名が指名された」
近年のドラフト会議で1位指名がこれだけ抽選になることはあまりなかったので、見ている立場からすると今年は非常に面白いドラフトでした。加えて今回は、独立リーグからの指名が非常に多かった(支配下6人、育成17人の計23人)。野球の裾野を広めるという意味でも、独立リーグのレベルアップはすごくいい傾向だと思いますね。
育成ドラフトではソフトバンク(8人)や巨人(7人)、西武(6人)といった球団が多くの選手を指名しました。もちろんプロは厳しい世界ですし、育成で入ったところで支配下になれるかどうかはわからない。それだけの選手を囲えるのは資金力のあるチームだけ、という事情もあります。
とはいえ、キャンプを終えたタイミングや開幕前の早いタイミングで、育成契約から支配下登録を勝ち取る選手もいる。もちろんシーズン中にも“昇格”のチャンスがある。そこに目を向けると、育成ドラフトの活用も決して悪いことではないのかな、と個人的には思います。
「“順位縛り”は個人的に疑問」
今回のドラフトで指名漏れした選手のなかでは、真鍋慧選手(広陵高)が話題を集めていますね。彼自身の考えや、実際にどういった事情があったのかはわかりませんが、「3位までの指名順位縛り」を設けていた、という報道もありました。