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「バースと勝負する?」掛布雅之×吉田義男×岡田彰布が語った“1985年阪神日本一”のありえない熱狂「バックスクリーン3連発よりも…」
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Number編集部Sports Graphic Number
photograph byYoshiyuki Hata
posted2023/11/02 11:00
1985年阪神日本一のレジェンド(左から)掛布雅之、吉田義男、岡田彰布による初の豪華座談会をお届けする(2015年刊行のNumber885号より)
岡田 覚えてますよ。
吉田 個人の勝負もプロ野球の醍醐味。悔いを残してほしくないですからね。「よっしゃ、勝負せい」と。
岡田 あの時はさらに打たないと(バースを)越えられなかった。というのもバースがホームラン54本で、最終戦は巨人との試合だったでしょう。監督は55本の記録をもつ王(貞治)さんやし、バースは相手に勝負してもらえないんじゃないかと。ただ、向こうのピッチャーが当時自分の一番苦手な斎藤(雅樹)やったんです(笑)。
吉田 結局バースがポテンヒットを打って、最後は8厘差で首位打者を取りよったな。
――守備の面では、岡田さんをセカンドで固定できたというのが大きかった。監督はかつて名ショートとして鳴らした選手でしたが、二塁手・岡田というのはどう分析されていますか?
吉田 ダブルプレーを取る技術は、彼がナンバーワンでした。
掛布 地肩が強かったからね。
岡田 俺、二塁にいて1回もランナーに蹴られたことないです。下手から投げたから、あまりスライディングしてこなかったのか。
吉田 肩だけじゃないんですな。それはもう、他の内野手との連携も、色んなことをやって。それは全幅の信頼を置いてました。
守りも攻撃的。基本的には超攻撃型の監督だから
岡田 ゲッツーを取るのはキャッチボールの連携ですよ。サードのカケ(掛布)さん、ショートの平田(勝男)との呼吸で、相手の投げやすいところに放る。この打球の速さじゃ前に来るから、ちょっと前に出るようなボールで、とかそれはもう暗黙のものでしたね。
掛布 パッと目と目が合ったら「こうやで」って。ツーといえばカーじゃないけど、それで判るような雰囲気はあったよな。
岡田 全部が全部ベースの上に投げたらいい、いうもんじゃないからね。
掛布 それだけ、やっぱり監督は守りに関しては厳しかったもん。
吉田 まあ守備の職人だったと自分自身も思ってますのでね。
掛布 ただ、守りの監督じゃない。守りも攻撃的。基本的には超攻撃型の監督だから。
岡田 1死二塁で、ショートでゲッツー取れって言ってたでしょう。平田に。
――どうやって?
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