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〈日本シリーズ〉オリックスvs阪神を成績で徹底比較…打キーマンは復帰の頓宮裕真に若手大砲・森下翔太、投は「CS未登板の先発陣」か
posted2023/10/28 06:01
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph by
Hideki Sugiyama/JIJI PRESS
「クライマックスシリーズ(CS)なんていらない」という人がいるのは承知だが、CSはとにかく盛り上がる。筆者はCSは高校野球、甲子園の準決勝(ベスト4)と同じだと思っている。実力のあるチーム同士が、十分な試合経験を積んで全力でぶつかるから熱戦になるのだ。今年も名勝負が多かった。敗退したロッテ、ソフトバンク、広島、DeNAの健闘を讃えたい。
両方ぶっちぎりの優勝だが、オリは接戦が多い?
日本シリーズに登場するオリックスと阪神、両軍の戦力について、基本的な比較をしよう。
〈オリックス・バファローズ〉※カッコ内の数字はリーグ内順位
143試合86勝53敗4分 勝率.619 508得点(3)428失点(6)
チーム打率.250(1)109本塁打(1)防御率2.73(1)1155奪三振(1)
〈阪神タイガース〉
143試合85勝53敗5分 勝率.616 555得点(1)424失点(6)
チーム打率.247(2)84本塁打(5)防御率2.66(1)1009奪三振(4)
どちらもぶっちぎりの優勝であり、よく似た勝敗だったのだが、オリックスが得点3位で失点は6位、得失点差が80だったのに対し、阪神は得点1位・失点6位、得失点差131だった。
セイバーメトリクスの世界では得失点差に基づいて「ピタゴラス勝率」を算出する。オリックスのピタゴラス勝率は.585、阪神は.631、オリックスは得失点差で導き出されるよりも多くの勝ち星を稼ぎ、阪神はそれほど変化はなかった。これはオリックスの方が少ない点差で競り勝った試合が多かったという証左でもある。
交流戦のここ3年の対戦成績は、2021年オ2勝-神1勝、2022年オ0勝-神3勝、2023年オ2勝-神1勝、通算ではオ4勝-神5勝だった。
打線:調子重視のオリ、主力固定の阪神
シーズンとCSの成績から陣容を見ていこう。まずは打撃から。
【打線の比較】※RCはオフェンスの総合指標
〈オリックス〉
中川圭太(外)506打136安12本55点5盗 率.269 RC69.64
紅林弘太郎(遊)443打122安8本39点4盗 率.275 RC47.18
宗佑磨(三)428打105安2本22点1盗 率.245 RC41.52
森友哉(捕)384打113安18本64点4盗 率.294 RC75.60
頓宮裕真(一)401打123安16本49点0盗 率.307 RC70.82
杉本裕太郎(外)339打82安16本41点0盗 率.242 RC43.44
茶野篤政(外)312打74安1本23点7盗 率.237 RC24.92
ゴンザレス(二)299打65安12本38点2盗 率.217 RC30.64
若月健矢(捕)286打73安6本17点2盗 率.255 RC27.28
野口智哉(外)226打51安2本19点4盗 率.226 RC23.28
セデーニョ(指)176打43安9本34点0盗 率.244 RC20.24
宜保翔(内)147打41安0本9点1盗 率.279 RC13.15
西野真弘(内)122打24安0本8点0盗 率.197 RC6.81