プロ野球PRESSBACK NUMBER
「迷惑かけました…」波乱のドラフト“ウラ側”、ロッテ吉井監督が苦笑い…「おおぉぉ!」プロ野球スカウトの予想も外れた“まさかの”1位指名
posted2023/10/27 17:43
text by
佐藤春佳Haruka Sato
photograph by
Hideki Sugiyama
ドラフト会議に“感嘆詞”が戻ってきた。
「おおおぉぉぉぉぉぉ」
「えーーーーーーっ!」
「あああぁぁぁぁぁ」
興奮、嘆息、歓喜……。運命の一日を彩るプロ野球ファンの声が、久しぶりにドラフト会場に響き渡った。
4年ぶりとなる有観客での開催。会場である「グランドプリンスホテル新高輪 国際館パミール」に詰めかけたのは、今年初めて設置された有料席(3300円)の抽選に当たった約700人のファンと、独立リーグやメディア関係者など。「マスク着用」や「声出し禁止」などの制約もない中で、思い思いの贔屓球団のグッズを身につけてスターが生まれる瞬間のドラマを楽しんだ。
「おー!」じつは阪神岡田監督が大笑い
第一巡選択希望選手――。
最初に会場をざわめかせたのは、2番目にアナウンスされた北海道日本ハムファイターズだ。指名したのは、事前予想には名前が挙がっていなかった中央大の西舘勇陽投手。事前に西舘の指名を公表していた読売ジャイアンツに真正面からぶつかる形となり、早くも波乱の予感が漂う。
巨人の円卓に座る吉村禎章編成本部長の雄々しい片眉が、ピクリと動いた。「またか」の思いもあっただろうか。2003年には巨人希望と明言していた須永英輝(浦和学院)を、06年には相思相愛だった長野久義(日大)を日本ハムが強行指名。11年には当時の原辰徳監督の甥である菅野智之(東海大)と1位指名で競合し、日本ハムが交渉権を獲得した因縁がある。中大出身の阿部慎之助監督の後輩という縁を持つ西舘の指名に、またも日本ハムが立ちはだかるのか……。
「シンノスケー!」、「残ってるぞ!」