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野球善哉BACK NUMBER
「なぜ慶応高はチャンスでフライアウトしても怒られない?」甲子園“勝つ野球”ではタブーだが…現場記者は見た「高校野球の常識が変わる夏」
text by
氏原英明Hideaki Ujihara
photograph byHideki Sugiyama
posted2023/08/25 17:01
107年ぶりの優勝を果たした慶応高。主将の大村昊澄と1番打者の丸田湊斗
「起用の順番は試合前に話しています。試合展開によって変わることもありますけど、基本的にはこうなったらこういう起用になるからと伝えています。代打でもそうなんですが、急に出番が来ると選手が準備できていないので、いい結果が生まれない。いい準備をしてもらうためにもそうしています」
3人の投手を使い分けた土浦日大の小菅監督も理想的な投手交代として「うまくいくことは少ないけど……」と前置きした上で次のように話している。
「僕はイニングの頭から交代させることを意識しています。ピッチャーにしてみればその方が親切だと思っていまして、イニング途中からマウンドに行くのはきついかなと。
また、5回から6回にかけてのイニングまたぎはこれまでの経験からきついので。2回戦で先発した小森は5回を投げてくれればと思っていました。予定通りの交代でした」
その2回戦、九州国際大付戦では3人の継投で完封勝利。おかやま山陽とともに選手の個性を尊重し、持ち味を引き出すための見事な投手マネジメントだった。
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今夏は従来の常識に縛られない「2番バッター」も目立った。続きでは、高校野球における打順について、取材現場で見た変化をお伝えしたい。
<続く>