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彼はなぜ自転車で川崎から神戸に…?「長津田でやめたくなりました(笑)」600kmを走り抜いた川崎Fサポの“ロードムービーのような旅路”
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![いしかわごう](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/a/a/-/img_aa4c08ecf0e639b04d71d893e899d60f6203.jpg)
いしかわごうGo Ishikawa
photograph byNumber Web
posted2023/07/15 11:00
![彼はなぜ自転車で川崎から神戸に…?「長津田でやめたくなりました(笑)」600kmを走り抜いた川崎Fサポの“ロードムービーのような旅路”<Number Web> photograph by Number Web](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/b/4/700/img_b49578b425253b21d8c17dfac66775d4568644.jpg)
川崎~神戸間の約600kmを自転車で走破した小野田治矢さん。彼は何を思って「チャリ神戸」に挑んだのか
たとえば、旅の相棒となったロードバイク。
約2年前に祖師ヶ谷大蔵の「木梨サイクル」で購入したものだ。木梨サイクルといえば、とんねるず・木梨憲武さんの実家が営んでいる自転車店として有名だろう。バラエティ好きである小野田さんは、ここで自転車を購入すると貼ってもらえる木梨サイクルのステッカーが欲しかった。ロードバイクの相場も知らず、予算は2~3万円程度で考えていたが、実際の値段は約15万円。その場で青ざめたが、持ち前のノリで「買います!」と即決した。
「勢いがなければ買えないタイプなんですよ。ただ、予算は10万円以上オーバー……。あとでちょっと後悔しましたね(笑)」
完走はイメージできず「浜松まで行けたらOKだろう」
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木梨サイクルのステッカーが目当てだったので、自転車に目覚めたわけではない。長距離の旅に出る予定もなく、休日に近所を乗り回す程度だった。そんな相棒と、川崎から神戸まで約600kmもの大冒険をするのだから、人生はわからないものだ。
元々、小野田さんは川崎フロンターレのサポーター界隈で有名な人物だったわけではなかった。YouTuberでもなければ、自身のTwitterアカウントである「夜へ急ぐ人」のフォロワー数も200人ほど。「フォロワーの約8割は好きなテレビ番組関連で、残りの2割が川崎フロンターレ関係、という感じでした」。平たく言ってしまえば、ごく一般的なサポーターだ。
今回の旅も、特にSNSで告知をせずに始めている。注目を集めるためではなく、あくまでも自分が楽しむことが目的だったからである。「近しい友人や『イクパッパちゃんねる』が好きなフォロワーが楽しめる日記のような感じでツイートしていこう」と、ゆるく考えていたそうだ。折しも台風2号が日本列島に接近しており、連日の雨予報だったが、さほど気にも留めていなかった。
「そもそも、本当に神戸まで自転車でたどり着けるとは思ってなかったんですよ。とりあえず浜松まで行けたら新幹線もあるし、それでOKだろうと思っていたぐらいです。途中でリタイアしても『イクパッパちゃんねる』さんの雰囲気はある程度は味わえるし、あとはゆっくり観光でもしながら、試合を楽しめればいいかなって」