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「えっ、いきなり5馬身差?」武豊とメジロマックイーンの名コンビが見せた“スター馬の証明”…「GII時代の大阪杯」はこんなに豪華だった
posted2023/04/02 11:05
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
JIJI PRESS
ダービー馬ドウデュースの年明け初戦は、2月12日の京都記念だった。道中、行きたがるのを後方でなだめ、持ったまま勝負所から進出し、2着を3馬身半突き放した。
そして、GI3勝馬タイトルホルダーの今年の始動戦は先週の日経賞。不良馬場のなか、すんなりハナに立ち、直線でゴーサインを受けると2着に8馬身差をつけて圧勝した。
どちらも獲得賞金などによって斤量が加増される別定戦のGIIで、ドウデュースは58kg、タイトルホルダーは59kgを背負っての勝利だった。
これら2頭の強烈な勝ちっぷりを見て、懐かしく感じたオールドファンは多かったのではないか。
近年は、ノーザンファーム天栄などの外厩でかなりのレベルまで仕上げられるようになり、一流馬ほど前哨戦を使わず、GIだけに出走することが多くなった。が、かつては、GIホースが別定のGIIで酷量を背負いながら圧勝し、「やっぱりGI馬は違うなあ」とファンを唸らせるシーンがしばしば見られた。
豪華すぎた「GII大阪杯」の勝ち馬たち
2017年にGIに格上げされる前の大阪杯は、GIホースが力の違いを見せつけるGIIの代表的な存在で、独特の高揚感や期待感のあるレースとして愛されていた。
GII時代の大阪杯がいかにすごいレースだったかは、1984年のグレード制導入以降10年の勝ち馬を騎手名とセットで並べるだけでもおわかりいただけるはずだ。
1984年 カツラギエース 西浦勝一
1985年 ステートジャガー 田原成貴
1986年 サクラユタカオー 小島太
1987年 ニシノライデン 田原成貴
1988年 フレッシュボイス 武豊
1989年 ヤエノムテキ 西浦勝一
1990年 スーパークリーク 武豊
1991年 ホワイトストーン 田面木博公
1992年 トウカイテイオー 岡部幸雄
1993年 メジロマックイーン 武豊
名馬と名手がズラリと並ぶ。そういうレースだからこそGIになったわけだが、先述したように、GIIだからこその醍醐味をたっぷり堪能させてくれた大阪杯として多くの人が思い浮かべるのは、1993年、メジロマックイーンが制したレースではないか。