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侍ロス、大谷ロス、WBCロス…心のスキマを埋めるのは次期代表監督の妄想人事「イチロー、古田、工藤、松坂…」 

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プチ鹿島

プチ鹿島Petit Kashima

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photograph byNaoya Sanuki

posted2023/04/01 17:01

侍ロス、大谷ロス、WBCロス…心のスキマを埋めるのは次期代表監督の妄想人事「イチロー、古田、工藤、松坂…」<Number Web> photograph by Naoya Sanuki

いまだ記憶に新しい侍ジャパンの栄光の瞬間。3月24〜28日には野球殿堂博物館でトロフィー(ティファニー製)が展示され、連日長蛇の行列ができた

 ひとつのヒントは「デイリースポーツ」にあった。普段から阪神タイガース推しのデイリースポーツはWBC優勝直後も、

『虎の誇り!!凱旋帰国 湯浅 中野世界一の次は頼むで』(3月24日)

という阪神目線での見出しだった。その後は、

『岡田ゲキに一発回答 大山1号』(3月25日)

『待望アベックOS弾 輝 大山』(3月26日)

『ええやん岡田ダイナマイト打線』(3月27日)

『アレ宣言 言うまでもない近本』(3月28日)

『中野 快幕デモ』(3月29日)

 いかがでしょうか。すんなりと通常営業に戻っています。他紙がまだWBC&大谷翔平に浸っているのと比べるとわかりやすい。つまり、自分が熱中できるコアなものを持つ人は「日常」に復帰しやすいということだろうか。さらに加えるならグローバルもいいけどローカル(ここでは「身近さ」という意味)も強いのかも。たとえば郷土性だ。春のセンバツ高校野球で勝ち残っている地域ではWBCよりドキドキしている人も多いことだろう。

野球の未来は明るい雰囲気

 さて、テレビ視聴率が連日40%を超えたことが話題になったWBCは、子どもたちにも響いたのだろうか。野球の将来を考えるとその効果が気になるところだ。なので小学生新聞もチェックしてみた(朝日小学生新聞)。

 次のような小学生の感想が載っていた。

《チェコ戦(11日)で佐々木朗希投手のデッドボールの後、チェコの選手が大丈夫と観客に伝えたり、アメリカに入国するとき、大谷翔平選手がチェコの帽子を被っていたりと、敵どおしであっても思い合っていて、温かい気持ちになりました》(大阪府・5年)

《野球のルールがわからなくてあまり関心がなかったのですが、WBCで日本が世界から注目されていると思ったら、野球に興味を持ちました》(福島県・4年)

《ぼくは野球が好きでもきらいでもありません。でも大谷選手がとてもかっこよくて、オーストラリア戦(12日)のホームランが大谷選手の顔の看板に当たったのを見て、びっくりしました!ねらって打ったのかな!?》(大分県・3年)

 おお、あまり野球に関心がなかったという小学生が大谷翔平きっかけで興味を持つケースも紹介されている。将来「あのときの大谷選手を観ていたので」という選手も出てくるのだろうなぁ。

【次ページ】 次期代表監督の隠し玉!?

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