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侍ロス、大谷ロス、WBCロス…心のスキマを埋めるのは次期代表監督の妄想人事「イチロー、古田、工藤、松坂…」
posted2023/04/01 17:01
text by
プチ鹿島Petit Kashima
photograph by
Naoya Sanuki
WBCが終わってもスポーツ紙の一面は大谷翔平が続く。たとえばサンケイスポーツを見てみよう。
『大谷もう再始動』(3月24日)
『大谷 WBC連覇へ 誓いの時計ヌートバーに贈った』(3月25日)
『大谷 MLB開幕あと3日 トラウト世界一共闘へ』(3月28日)
『大谷85億1500万円 収入も世界一!!今季試算 メジャー史上最高額』(3月29日)
オオタニサンだらけだ。
私はひそかに大谷とヌートバーを「シン・ON」と呼んでいますが、実際に2人の影響力は高くて「大谷が時計をヌートバーに贈った」というニュースが流れた途端に「どんな時計なのか」「いくらなのか」という問い合わせが何件も入ったと時計店の方から聞いた。
ヌートバーにプレゼントした時計の種類は不明だが、大谷が日本ハム時代から広告に出演しているセイコーの最高級モデルなら「115万5000円」とサンスポは書いている。こういう野次馬の丁寧さがスポーツ紙らしさです。
中村倫也&水卜アナが健闘
ここまで大谷の見出しだらけだと、逆に大谷以外で一面を飾ったものは何なのかが気になる。WBC終了後からこの一週間を見てみると目立ったものでは、
『中村倫也 猛アタック 水卜アナ結婚』(スポーツ報知3月26日)
『西村1分弾』(日刊スポーツ3月25日)
というものがあった。後者はサッカー日本代表の国際親善試合のことだが、それでも記事には『「侍」の勢いそのまま!!』とWBCの余韻が漂う。
そんなムードの中、日刊スポーツの3月28日の一面は『侍ロスのみなさんへ 栗山監督贈る秘話』。
日本記者クラブでの栗山監督の会見が一面に大きく載っていた。WBCの秘話がまだまだ求められていることがわかる。では「WBCロス」「大谷ロス」が続く場合、どうしたら立ち直ることができるのだろう?