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「オータニがクローザーかよ。何てこった」WBC決勝“ハリウッド級シーン”を体感「トラウトの会釈に大谷翔平は」「勝者は日本だが…」
posted2023/03/26 11:03
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph by
Daniel Shirey/Getty Images
21日にマイアミのローンデポ・パークで行なわれたWBC決勝の終了後、地元最大の日刊紙「マイアミ・ヘラルド」電子版はダルビッシュ有が大谷翔平らの手で笑顔で胴上げされる写真を掲載。「日本がアメリカの打棒を封じ、3度目のWBC王者に」の見出しを掲げた。
「日本は、先発の今永昇太からダルビッシュ、大谷翔平まで7人の投手を起用。強力なアメリカ打線を抑え込み、マイアミのローンデポ・パークの3万6098人の観客の前で3-2の勝利を収めた」
ダル→大谷リレーに現地ファン「そりゃあすげえな」
2回表、アメリカは準々決勝と準決勝で3本のホームランを放っているターナー(フィリーズ)がレフトへソロ・ホームラン。しかし、その裏、日本は準決勝メキシコ戦で殊勲のサヨナラ二塁打を放った村上が右へソロ・ホームラン。さらに1死満塁のチャンスを作り、ヌートバーの内野ゴロの間に1点を追加。2-1と逆転する。
4回裏、日本は岡本和真が左中間へソロホームランを放って点差を広げる。日本は、今永、戸郷翔征の後は高橋宏斗、伊藤大海、大勢と小刻みにつなぎ、8回にダルビッシュが登場した。三塁側内野席に座っていた筆者は、隣の中年のアメリカ人男性に「この回はダルビッシュが行って、9回は大谷が投げると思う」と話した。彼は、「そりゃあ、すごいリレーだな」と驚いていた。
8回表、アメリカは一死後、シュワーバーがライトへ特大のソロ・ホームランを放って1点差。地元観衆から、「U、S、A」の大声援が沸き起こった。さらにターナーがセンター前ヒット。日本にとっては非常に嫌な雰囲気となったが、ダルビッシュが何とか後続を断ち切った。
「U、S、A!」コールに立ちはだかる大谷
その裏、日本は四球で出塁した山田哲人が二盗を決めたが、源田壮亮がサードゴロに倒れる。すると、レフト後方のブルペンから背番号16が出てきて、マウンドへ向かってゆっくりと歩き始めた。
「ウァオ、何てこった。オータニがクローザーかよ」
「オータニが(アメリカの最後の攻撃を)クローズするっていうのかい」
周囲のアメリカ人ファンから驚きの声が上がる。
無理もない。大谷は、MLBでこれまで常に先発してきた。アメリカのファンの大半は、大谷が日本ハム時代にリリーフの経験があることは知らないし、準決勝後に日本では報じられたが、この試合でリリーフをする可能性もがあることも知らなかったようだ。
「ピッチャー、ショウヘイ・オータニ」とコールされると、スタンドがどっと沸いた。そして、大谷にプレッシャーをかけるように「U、S、A」コールが起きた。