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「オータニがクローザーかよ。何てこった」WBC決勝“ハリウッド級シーン”を体感「トラウトの会釈に大谷翔平は」「勝者は日本だが…」
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byDaniel Shirey/Getty Images
posted2023/03/26 11:03
伝説となったWBC日米決戦。会場のローンデポ・パークはどんな感じだった?
日刊紙「ザ・ニュース・アンド・オブザーバー」は、「オオタニについて、多くの人がスーパーマン、ユニコーン(一角獣。現実離れした存在)と表現する。我々は、トラウトの「彼は最高のプレーヤー」という表現が最も適切だと思う」と報じている。
また、アメリカのマーク・デローサ監督は、「大谷がMLBやWBCでやっていることは、他の選手がリトルリーグやユースレベルでやってきたことだ。他にも、彼と同じようなことをやろうとする選手がいるかもしれない。しかし、彼と同じレベルで成し遂げるのは不可能だろう」と脱帽している。
「まるでハリウッド映画のようなシーンだった」
日本選手の中では、吉田正尚も13打点の大会記録を更新するなど見事な成績を遺した。しかし、WBCの主催者であるMLBとMLB選手会にとって、大会MVPは大谷以外には考えられなかったのだろう。大谷は、大会ベストナインに投手とDHの2部門で選ばれた。他の日本選手では、吉田も外野手部門で選出された。
地元紙「マイアミ・ヘラルド」は、以下のように大会を総括した。
「日本は、優勝に値した優れたチームだった」
「決勝でDHとして出場した大谷が最終回にクローザーを務め、最後の打者としてエンゼルスの同僚で親しい友人でもあるトラウトから三振を奪ったのは、まるでハリウッド映画のようなシーンだった」
「勝者は日本だが、野球というスポーツでもある。WBCは、世界における野球の普及へ向けて重要な役割を果たした」
「プールラウンドと決勝ラウンドの地となったマイアミは(キューバ人をはじめとする中米各国の移住者が多く住む)多様性に満ちた都市であり、15試合で47万52679人(1試合平均3万1675人)の観衆を集めた」
「キューバ、ドミニカ、プエルトリコ、ベネズエラ、メキシコからの移住者や旅行者、そして日本人ファンが観戦に訪れ、大会を盛り上げてくれた」
フットボールのワールドカップと比べると、WBCは参加国の数、各地域における予選の盛り上がり、ファンの熱狂ぶり、観客動員数などでまだまだかなわない。しかし、日本をはじめとする参加各国の選手の熱意と奮闘により、回を重ねる毎に大会が成長しているのは確かなようだ。そこで#3では球場、マイアミ空港などで各国のファンに侍ジャパンや今大会への感想を聞いた。
<#3「各国ファンに聞いた侍ジャパン」編につづく>
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。