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「鎌田大地に年俸8億7000万円オファー報道」ドルトムントの“リアルな懐事情”「固定給ダウン/ボーナス給増」にベテラン名手らの反応は? 

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ミムラユウスケ

ミムラユウスケYusuke Mimura

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photograph byTakuya Sugiyama/JMPA

posted2023/03/12 17:01

「鎌田大地に年俸8億7000万円オファー報道」ドルトムントの“リアルな懐事情”「固定給ダウン/ボーナス給増」にベテラン名手らの反応は?<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama/JMPA

鎌田大地はカタールW杯後の日本代表でも主力としての活躍が期待される。噂されるドルトムント移籍を果たすのか、それとも……。

 さらに、2015年にクロップ監督が退任したことも、この流れを加速させた。以前であれば「G3」と呼ばれていたヴァツケCEO、ツォルクSD、クロップ監督の3人が全会一致で獲得したいという選手だけを獲得する方針があった。しかしクロップ退任後、トゥヘル監督が就任したあとにこの方針は撤回。そこにはトゥヘルとヴァツケやツォルクらの折り合いが悪かったことも関係している。

 これ以降、選手獲得についてはフロント主導となり、監督の希望が以前ほどは通らなくなった。それにより余剰人員は増えたし、監督がそこまで欲していないのにもかかわらず、年俸は高い選手が加わるケースも増えていった。

現地紙がすっぱ抜いた「ドルト主力の年俸ランキング」

 では、その成果は出たのだろうか。

 答えはノー。その微妙な方針転換は成果を挙げるどころか、バイエルンに10連覇を許すことになってしまった。ドイツで2番手の位置は確実なものにしているいとはいえ、このままでは終われない。再び頂点に立つべく選手の給与体系を見直すには、ケールが新SDに就任した現在がふさわしいタイミングだった。

 そして新しい給与体系というのが、前述した〈基本給を抑え、出来高給の割合が非常に大きい〉形態だ。新体系について見ていく前に、先日ビルト紙がすっぱぬいて話題になったドルトムントの年俸ランキングの一部、主要選手のものを紹介しよう(*本稿でも1ユーロ=145円で計算)。

 1位:ロイス 1200万ユーロ(17億4000万円)
 2位:ズーレ 1100万ユーロ(15億9500万円)
 3位タイ:フンメルス、アレ 1000万ユーロ(14億5000万円)
 5位:ジャン 850万ユーロ(12億3250万円)
 6位:ムニエ 750万ユーロ(10億8750万円)
 7位:ブラント 700万ユーロ(10億1500万円)
 8位タイ:ベリンガム、ムココ他 600万ユーロ(8億7000万円)
 17位タイ:シュロッターベック他 450万ユーロ(6億5250万円)
 19位:コーベル 350万ユーロ(5億750万円)

 このなかで監督がそこまで欲したわけではないのに、年俸に見合った活躍ができていない(つまり、年俸が高い)として批判されてきたのが、5位のジャンや6位のムニエだ。レンタル期間も含めれば今シーズンが4シーズン目となるジャンは、2023年に入ってからはようやく欠かせない戦力として本来の力を発揮しつつあるが、過去2シーズンはクラブが補強戦略に失敗した象徴の1人としてやり玉にあげられることが多かった。

新体系の影響を大きく受ける“2人のベテラン”

 そうしたストーリーがあるなかで新体系は導入される訳だが、その大きな影響を受けることになるのが、2人のベテランである。

【次ページ】 この給与体系は選手に好評なわけがない

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