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「鎌田大地に年俸8億7000万円オファー報道」ドルトムントの“リアルな懐事情”「固定給ダウン/ボーナス給増」にベテラン名手らの反応は? 

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ミムラユウスケ

ミムラユウスケYusuke Mimura

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photograph byTakuya Sugiyama/JMPA

posted2023/03/12 17:01

「鎌田大地に年俸8億7000万円オファー報道」ドルトムントの“リアルな懐事情”「固定給ダウン/ボーナス給増」にベテラン名手らの反応は?<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama/JMPA

鎌田大地はカタールW杯後の日本代表でも主力としての活躍が期待される。噂されるドルトムント移籍を果たすのか、それとも……。

 現行契約が今シーズン末までとなっている、クラブの年俸ランキングが3位タイのフンメルスと1位のロイスだ。もちろん、クラブは契約延長を望んでいるだが、新契約として提示されているのは以下のような金額だという。

 フンメルス:1000万ユーロ→500万ユーロ+大幅な出来高給
 ロイス:1200万ユーロ→600万ユーロ+大幅な出来高給

 さすがにキャプテンのロイスには複数回の話し合いを経て、基本給が800万ユーロ程度で新たな条件提示がなされる可能性があるようだが……。

 件の2人は30代半ばに差しかかっているとはいえ、最終的な年俸も大幅に下がる可能性があるため、まだ決断を下せないでいる。フンメルスはアメリカMLSへの移籍を検討しているという。ロイスの場合は、クリスティアーノ・ロナウドが所属するサウジアラビアのアル・ナスルから2000万ユーロ(29億円)のオファーを提示されているとも言われており、頭を悩ませているとも言われている。

この給与体系は選手に好評なわけがない

 もちろん、こうした給与体系が選手たちから好評なわけはない。

 一般の会社員と同じように、高い基本給というのは高い評価の証だし、現役でいられる時間は短いからこそ、高給を望むのは当然のことだ。さらにその裏には、ドイツをはじめとしたヨーロッパ主要国における、怪我と給料の支払いに関するルールも関係している(以前、日本人選手がこの件のルールに関する詳細を事前に聞かされていなかったようで、複雑な思いを吐露して話題になった)。

 ドイツでも、選手が怪我で一定期間、戦列を離れた場合にはクラブが給料の支払いをストップできる。そのため、多くの選手が怪我に備えた高額の保険に入る。この保険があれば、日本の失業保険のようなイメージで、給料のうちの大半が保険会社から支払われる仕組みだ。もちろん、基本給が低く抑えられてしまえば、怪我をした際の収入が大幅に下がってしまうのは避けられない。選手からすればリスキーだ。だから、難色を示す選手がいるのは間違いない。

給与体系の変化が選手のお尻に火をつけたのも事実

 ただ、そんな給与体系の変化が選手たちのお尻に火をつけている部分があることも否定できない。

【次ページ】 鎌田に8億7000万円程度の年俸が提示されているようだが

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