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1日とんぼ返りでも参加の意義あり…カープ伝統の「合同自主トレ」に主力選手もこぞって参加する理由《強制力はなし》

posted2023/01/23 11:00

 
1日とんぼ返りでも参加の意義あり…カープ伝統の「合同自主トレ」に主力選手もこぞって参加する理由《強制力はなし》<Number Web> photograph by KYODO

合同自主トレ初日には、今オフ右ひじの手術を受けた森下も元気な姿を見せた

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前原淳

前原淳Jun Maehara

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 3年ぶりの光景が広がっていた。1月15日、瀬戸内海に面した広島県廿日市市内にある広島二軍大野練習場で、広島恒例の“合同自主トレ”が始まった。

 前日まで新人10選手しか練習していなかった屋内練習場には、計32選手が集まった。寮に住む二軍選手だけではない。日米通算1517安打の秋山翔吾や守護神の栗林良吏、森下暢仁の姿もあった。

 他球団にはないチーム内での合同自主トレも、広島では毎年の恒例行事。毎年1月中旬から、他県で自主トレを行う選手を除く選手が一堂に会して合同でトレーニングを行う。

 マツダスタジアム隣接の屋内練習場ができた2016年以降は、合同自主トレ2日目から大野練習場とマツダスタジアムの2カ所に分かれて行われている。ただ、初日は大野練習場でスタートする(2021年から昨年までは接触を最小限にするため、初日から2カ所で行われ、時間も分けられた)。各地で自主トレしてきた選手も広島に戻れば次々に合流し、一度は大野練習場に顔を出すのが通例で、合同自主トレへの合流は広島選手には新年のあいさつ代わりになっている。

 投手も野手も一緒になってランニングし、ショートダッシュなどの瞬発系のトレーニングからキャッチボールにノックと全体の練習メニューが続く。その後は投手と野手に分かれ、投手は個別メニュー、野手は打撃練習となる。全体の休養日まで設けられ、キャンプイン前の1月30日まで行われる。

 1月は球団管理下にない期間であるため参加に強制力はないが、毎年多くの選手が集まって練習が行われる。

多くのレジェンドも参加

 過去には黒田博樹氏(球団アドバイザー)、新井貴浩氏(現監督)、前田智徳氏らスター選手も参加していた。伝統として受け継がれ、取りまとめるのは選手会長の役割。前回、大野練習場で一堂に会して合同自主トレが行われた2020年は、当時選手会長だった田中広輔が自主トレ先の沖縄から広島に戻り、ウオーミングアップ前の円陣で言葉をかけただけで沖縄にとんぼ返りした。

「新人も入って、1年がスタートする日。みんなと他愛もない話もできますし、本当にいい顔をしていたので、それだけでも来たかいがありました」

 広島滞在24時間足らずで往復約2500キロの移動にも、当然といった表情が印象に残っている。

 選手だけでなく、打撃投手やブルペン捕手など裏方も参加する。裏方にとっても、キャンプインに向けた調整時間となっているのだ。契約期間外となるため、選手会から手当が出ているという。

【次ページ】 カープで受け継がれる伝統

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