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「水着で面接が当たり前です」レースクイーンの女王・近藤みやびに聞いた“レースクイーンだけで生活できる?”「高嶺の花と思っていたけど、実は…」 

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齋藤裕(NumberWeb編集部)

齋藤裕(NumberWeb編集部)Yu Saitou

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photograph byShiro Miyake

posted2022/10/23 17:00

「水着で面接が当たり前です」レースクイーンの女王・近藤みやびに聞いた“レースクイーンだけで生活できる?”「高嶺の花と思っていたけど、実は…」<Number Web> photograph by Shiro Miyake

レースクイーン・オブ・ザ・イヤーに2度輝き、8年にわたってレースクイーンを続けてきた近藤みやびさん。その活動内容について聞くと…

――最終的にはSUPER GTのアップガレージ「ドリフトエンジェルス」に所属しました。

近藤 この時のオーディションは1日で何回か面接があって一気に最終面接まであるパターンでした。「ドリフトエンジェルス」は歌って踊れるレースクイーンというコンセプトがあって、歌とダンスをやらなきゃいけないので、受験したみんなが準備して臨んでいました。最終面接にいかなかった子は準備したのに帰らなきゃいけなかったりして。そのチームは4人構成で、メンバーのバランスを考える中で、自分が上手くあてはまって選ばれたのかなと振り返ってみると思います。

鈴木亜久里の「コーヒー欲しい」をスルー

――以降7シーズン、今年まで計8年にわたってレースクイーンを続けた理由は何だったのでしょうか?

近藤 2年目の2016年からスーパー耐久のチーム「HubAuto Girls」に所属したのが大きかったと思います。スーパー耐久はアマチュアの方も参加できたりして、ピリピリしているSUPER GTと比べると、少し雰囲気がユルい。コロナ前の当時はレース後にメカニックさんたちと飲みに行ったり、ご飯食べに行ったりして、話す機会もあったりしたんです。

 その中で、チームはタイヤをたくさん準備していますが、「タイヤ」と一口に言っても「それぞれ内圧も異なり、天気に合わせて性能も異なり、柔らかい、固いでも違う」といった初歩的なことも教わって、当時はまったく知らなかったので、「なるほど」と、本当に一から学ぶような感じでした。そうやって知っていくと、単に見ているだけだったレースについて、車自体の性能だけでなく、チームの考えや選択がポイントになることや、レースのより深い面白さ、見どころが分かるようになりました。そうして気づいたら、8年も続けていた、って感じですね。

――3年目は元F1ドライバー・鈴木亜久里さんが代表を務めるARTAに所属しました。亜久里さんがコーヒーを頼んだら、近藤さんが拒否したという大物さを感じさせるエピソードがありますが、これは……。

近藤 それはですね(笑)、オートバックスのイベントの時だったと思うんですけど、もちろん私自身、鈴木亜久里さんがどれほどすごい方かというのは知っていました。その亜久里さんが「コーヒー飲みたいな」と話していて、そのすごさを知っていたからこそ、「亜久里さんレベルだと自分なりのコーヒーの淹れ方とかあるのでは?」と思って、「ここにありますよ」と伝えたんです。こだわりとかあるだろうから、自分で淹れてもらったほうがいいだろうというのが、私の言い分なんです(笑)。それを見た土屋圭市さん(“ドリフトキング”の愛称で知られる元レーシングドライバー)が「亜久里が欲しいって言っているんだから、淹れてやってよお」ってすごい面白がって、一気にエピソードが広まった感じですね。今にしてみれば「淹れてあげればよかったな」って思います。

レースクイーンだけをやっていて、生活できる?

――レースクイーンを始めてからはバイトも辞めて、レースクイーンに専念していたんですか?

近藤 2年目くらいまではもともとやっていたパチンコ屋のアルバイトを続けていました。ただ、レースクイーンのイベントが入ったりして、もともと組んでいたシフトに入れないということも起きてしまって、なんだか今後もそういうことが続いたら申し訳ないと思って、辞めました。

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