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「青学大から声をかけていただいたことも」筑波大学院の“研究者”ランナーはなぜフォロワー数50万超えのインフルエンサーになったのか
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byYuki Suenaga
posted2022/10/22 11:00
筑波大の大学院でランニングの研究を行い、社会人ランナーとしても活躍した三津家貴也さん。なぜ彼はその後、“インフルエンサー”となったのか、本人に聞くと…
「ほんと、いち視聴者としてテレビで見ていたぐらいです。1500mを走っている友人が箱根に出ていると頑張ってほしいと思って見ていましたけど、自分にとって箱根はかなり遠いものでした」
箱根を走って優勝したら、日本のトップ選手よりも有名に
三津家さんが、箱根駅伝の凄さを本当に実感するようになるのは、社会人になり、箱根を走ったランナーたちとイベントやレースの現場で会い、仕事をするようになってからだった。
「箱根駅伝は、他の陸上の大会とは完全に別ものです。陸上って関係者と親と友人しか見に来ないんですけど、箱根駅伝は地元の人や箱根駅伝を応援する人、大学を応援する人など、本当にいろんな人が見に来ます。また、事前に個々の選手のドラマを見せるなど、盛り上げる工夫をしています。レースにはドラマがあり、エンターテインメント性があるので視聴率もすごいですよね。選手も箱根を走って優勝したら、SNSのフォロワー数がバカみたいに増えて、日本の陸上のトップ選手よりも知名度が高くなる。そういうのを見聞きしていると箱根駅伝は本当にすごいなと思います」
母校・筑波大は2020年に26年ぶりの箱根駅伝出場を果たした。その時、大学院2年だった三津家さんは4区と9区の応援に行った。
「筑波が予選会を突破してから一気に注目されて、反響もすごかった。箱根も応援に行ったんですけど、4区で青学大の吉田祐也選手を見ました。めちゃ速かったです(笑)。筑波のユニフォームが見えて来た時は、やはり感慨深いものがありました。同時にメディアに注目されて、後輩たちがテレビとかでフォーカスされるのを見ていると、自分も走りたかったなぁと思いましたね。実は、高校の時、青学大から声をかけていただいたことがあったんです。800mのスピード系でやってきたので箱根は下りの6区がいいんじゃないかっていう話をしたのですが、当時は800mで活躍することしか考えていなかったんですよ。あの時、青学大に行っていればどうなっていたのかなぁと思いますが、行かなかったことで今があるので、後悔はしていないです(笑)」
筑波大で行ったランニングの研究とは?
大学3年の時に研究室に入り、ランニングの研究に取り組み始めた。三津家さんが注目したのは、主に3つのテーマだ。